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鉄道研究部

上毛電気鉄道大胡電車庫を取材

投稿日2024/3/30

2024年3月29日(金) 上毛電気鉄道大胡電車庫 取材

赤羽駅・南改札口集合―(宇都宮線)-小山駅-(両毛線)-桐生駅…西桐生駅・昼食購入・撮影-(上毛電鉄)-赤城駅・昼食・撮影-(上毛電鉄)-大胡駅…大胡車両基地・見学…大胡駅-(上毛電鉄)-中央前橋駅・駅撮影-(日本中央バス)-前橋駅-(両毛線・上越線)-高崎駅・買い物-(上野・東京ライン)-赤羽駅・南改札口解散

今日の活動は、校外見学、上毛電鉄の大胡電車庫を見学しました。赤羽駅に集合し、小山駅を経由して、宇都宮線、両毛線を乗り継いで桐生駅へ行きました。朝は春の嵐、強い風と雨に見舞われ、少し電車が遅れましたが、両毛線では無事に予定の電車に乗れました。西桐生駅前のコンビニエンスストアで、昼食を買い、西桐生駅へ行きました。

 

西桐生駅の駅舎は、1928(昭和3)年、上毛電鉄開業時から使用されている木造駅舎です。マンサード屋根の洋風建築の建物になっています。「織物の町桐生市内に開設当時から残る保存が望まれる駅舎で機織りが体験できる駅」という理由で、1998年に関東の駅百選の第2回選定の対象となりました。2005年には、駅本屋とプラットホーム上屋が登録有形文化財に登録されました。ちなみに、1936(昭和11)年に建設された日本学園1号館も2009年に登録有形文化財に登録されました。こちらも現役の校舎として使用中。

 

さっそく、西桐生駅の窓口で一日全線乗降自由券を買いました。いつもの1日フリー切符は1300円ですが、今日買ったのは800形デビュー記念切符で1000円でした。

 

一旦、東武鉄道との接続駅である赤城駅まで行き、東武鉄道250型特急電車「りょうもう」などの写真を撮りながら昼食を食べました。大胡駅に着くと、天気予報通り、雨が上がりました。

 

大胡駅は、1928(昭和3)年、上毛電鉄の開通とともに開業しました。上毛電鉄の車両基地である大胡電車庫があります。

 

2007年には大胡駅の駅舎が上毛電気鉄道大胡駅変電所など周辺設備とともに登録有形文化財に登録されました。県近代化遺産に登録されています。大胡電車庫を訪ねると、さっそく上毛電鉄の方々が資料を下さり、電車庫を案内して下さりました。

 

まずは、車庫の前にある線路の方開き分岐器を見学しました。分岐器の隣に、手動転轍器が備え付けられています。転轍器のハンドルが凄く重く、転轍機自体の重量で、列車通過時の振動で勝手に切り替わることがないよう分岐器の分岐部分にあるトングレールを固定するようです。転轍機のレバーには白黒に塗られた円盤がついています。白い部分が上になる様にレバーが倒れていたら真っ直ぐ、黒い部分が上になる様にレバーが倒れていたら左線へ進行です。これは、運転室から分岐器がどちらに向いているかを確実に視認するための工夫です。

 

次に、電車庫の屋内を見学しました。矩形電車庫で、2棟の切妻棟を並列させた桁行32m,梁間11mの木造平屋建築です。引込線2線と作業場などがあります。下見板張で、小屋組キングポストトラスです。今日は700形7号車と800形が入線していました。700形は、かつては京王電鉄井の頭線の車両で、現在2両編成8編成が在籍しています。800形は、かつては東京メトロの車両です。駅や路線の条件を鑑み、18m車を導入しています。車両の左下に赤旗が掲げられていますが、これは電源が入っているという意味です。私たちは、700形の機器と点検について見学させていただきました。上毛電鉄は、1500Vの直流で運行しています。各機器に電気が入っているので、抵抗器などの床下機器には絶対に触れない様に、見学しました。今日は台車の点検を見学しました。

 

700形はボルスタ台車だそうです。車両の床下に赤いレバー、ブレーキ弁が付いていて、このレバーをひねると、コンプレッサー(電動空気圧縮機)が作動し、ブレーキシリンダーに空気が送られ、制輪子(自転車のブレーキシューみたいなもの)が車輪を押し付けます。ブレーキ弁を操作して、制輪子が車輪を固定するかを確認しました。制輪子が車輪を固定する時、特に力が掛かる所が先に摩耗します。

 

制輪子は真鍮で作られていますが、厚さ15cm程が3cm程までに摩耗すると交換となります。

 

交換作業は台車の構造上、片手でないと備え付けられませんが結構重いです。

 

続いて、デハ104を見学しました。

 

運転室が進行方向に向かって右側にあるのが特徴です。これはタブレットの交換のための構造です。床についている扉を外し、吊り掛け駆動方式のモーターを見学しました。昭和30年頃までの電車はこの方式が多いです。1928(昭和3)年の上毛線開業に製造され、1970年代まで上毛電鉄の主力車両として運用されました。

 

次に、デハ101を見学しました。デハ101は車内灯と座席の肘掛けが104より古いものが備え付けられていました。

 

デハ101の塗色は茶色(葡萄色)だが、デハ104はカナリアイエローです。もともとは全て茶色だったものが、踏切事故を防ぐためにカナリアイエロー、警戒色に塗り替えたそうです。デハ101、デハ104ともに両運転台車で単独運行が出来ますが、中央前橋駅側の前面が非貫通構造、西桐生駅側が貫通構造でした。後にデハ101とデハ104を貫通構造の前面どうしで連結して幌で繋げられる様に、デハ101をクレーンで吊り上げて、車体の向きを反対にしたそうです。

 

次に、自転車を改造した自走車に乗せて頂きました。イベントや線路の点検の時などに使うそうです。次に直流モーターや台車を見学しました。

 

屋外に二つの台車と貨車と電気機関車がありました。大きな白い台車は東武鉄道の特急車5700系のクハ701号に使用されたKS-105型台車、黒い台車は下野電気鉄道(現在の東武鬼怒川線)の電車デハ103号で使用された板台枠式台車です。今の上毛電鉄各車両の台車の重さは大体10tです。車体をジャッキアップし台車を抜いた後、電車庫の入り口まで繋がるレールを伝って運び、電車の入り口にあるクレーンで吊り上げ、トラックに乗せ、京王重機にて整備点検をするそうです。

 

貨車は、テ241、かつての東武鉄道の貨車です。雨に濡れてはいけないもの、石灰などを運搬したそうです。電気機関車は、かつて東急東横線で運用されていたデキ3021です。どの車両も自動連結器が備わっていますが、デキ3021は電車庫内での電気の入っていない車両の牽引には使わないそうです。デッキが付いている分、運転室から連結器が見えないので、構内での牽引用に使うのには不便だそうです。

 

次に遮断機は無いが警報機が付いている3種踏切を見学しました。私たちは、手動で警報機を鳴らしました。電子音ではなく、実際に鐘を突くものでした。

 

次に資料室を見学しました。上毛電鉄の歴史、引退車両の写真やタブレット、デハ100形などに備え付けた速度計などを見学しました。かつて、デハ100形には速度計は付いていなかったそうです。資料室の天井には、実物の架線が展示されていました。トロリー線は銅で出来ていて、電車を走らせると、パンタグラフの集電舟の方が摩耗する構造になっています。トロリー線の交換より、集電舟の交換の方が、効率が良いからだそうです。

 

電車庫にある運転シミュレータにも挑戦しました。さすがに皆、「電車でGo」で慣れているのか、停車位置1m以内に電車を停車させました。

 

最後に電車庫にとめられている700形の行先表示を、中央前橋、大胡、粕川、西桐生、臨時と次々に変えて頂き、それを撮影しました。部員達が凄く喜びました。大胡電車庫を案内して下さった方々が「そんなに喜んでいただけて、案内したかいがあったよ。」と言って下さりました。最後に、鉄道研究部の年間活動報告集2年分を手渡し、お礼をしました。今日の見学では、親切丁寧に、大胡電車庫の役割と設備について詳しく解説していただき、とても良い勉強になりました。今日の取材で学んだ事を詳しくまとめ、10月の学園祭にて展示発表をします。ありがとうございます。

 

大胡電車庫を見学した後、中央前橋駅へ行き、広瀬川のほとりを行き来する上毛電鉄の電車を撮影しました。その後、高崎駅に立ち寄り、買い物をし、上野・東京ラインに乗って帰えりました。今日の取材は、部員達にとって良い経験となりました。

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