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バスケットボール部

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つれづれなるままに ~インターハイ予選(3)

投稿日2019/6/7

 「一生懸命」っていう言葉の意味を多くの人は小学生の時、社会の授業で知ると思う。主君から賜った領地を生涯大切に護ることを一所懸命・一生懸命っていうんだよ、主従関係は御恩と奉公によって成り立っていたんだよと鎌倉時代を教わる。それがきっかけといったら多分、嘘になるがかれこれ40年近く、一生懸命とはなんぞや?っていうことの形を追求してきたような気がする。まだ選手と一緒で模索中ですが。

 

 3回戦の相手はご近所の都立戸山高校。うちほどではないものの結構な部員数。応援席の保護者の方々の数も時間を追って増えてくる。そして尋常ではない盛り上がりはどっちが勝ってんだ?と見紛うほど。顧問の先生も40分間立ったまま熱く指導され、シュートが決まるたび喜びを全身で表現する。

 ♯4の0度とトップからのシュートに俄然エンジンがかかる。センターライン際のルーズボールによってがむしゃらな精神を剥き出しにする。ゾーンdefもなんのその。早いパス回しで崩してfinish! どんどん選手を替え、個人の持ち味をチームという集団の中で覚醒させる――。こう書くととうちがめちゃくちゃ凄くて、強くて「さすが日学!」という印象を受けるだろう。でも会場で見ていた方の心中は恐らく、焦れた思いと不安でいっぱいだったのではないか。恥ずかしながら私もその一人。負けることはないと分かっていても終わりを告げるブザーがなるまでは安心は禁物。今日勝っても来週は?と雲行き怪しい雰囲気。駄目ですね、どんな状態でも冷静でなければならないのに応援する者がそんな弱気な気持ちじゃ。

 それにしても気持ちのいいチームだったな。選手が一生懸命であるのは当然ながら、顧問とベンチと保護者とが心一つにして試合に臨んでいる。敵ではなければ間違いなく応援してる。今日のにちがく勢を客観的にみたらどうだったろう。

 「一所」も「一生」も用途と目的は同じ。使い勝手のいい言葉だけど実は奥ゆかし。御家人は領地を、選手はコートという聖域をそれこそ命と一生を賭して死守するものがあるところは同じか。1日でも長く守ること=勝ち続けることは、支えてくれる方々への謝意の表れ。御恩と奉公なんて堅っ苦しいことはいわない。ただ、自己肯定のため直向きにがむしゃらに一生懸命であれ。それは勝敗とは別次元でにちがくバスケ部を光の射す方へ導いてくれるはず。

 末筆ながら好敵手の戸山高校のバスケ部がこれからも素敵なチームであることを祈念し、次の一戦に挑む。

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