ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て、万有引力の法則を発見しました。では身近なとこで、カッターナイフって何から着想を得たか知ってますか?付箋紙って失敗と無視から生まれたって知ってますか。こんな思いがけない偶然の発見をなんて言うか知ってますか。
残暑が厳しくも暦の上では既に秋、朝夕の風も涼しく感じられ、蝉も少々元気がなくなってきた。今年の夏も無事、終わる。去年はインターハイに出場のため忙しかった。知多半島が懐かしい。今年の夏も例外なく忙しかった。世間から「いいわねぇ~ガッコの先生は夏休みがあってぇ~」と言われるが、逆に世間並みの生活がしたい!と思う。部活と夏期講習で終わった今夏。花火も祭りも帰省も無縁の40日。でも蝉のように元気な「新にちがく勢」を見ているとそれも満更ではない。好きでもこれほど一生懸命になれるなんてと頭の下がる思い。なぜそこまで今、自分を追い詰められるのか、そう、選手たちにとって夏を制せられるか否かは未来の命運を左右するほどの貴重な瞬間だからなのだ。
新チームが発足され、内容濃き2ヵ月が経とうとしている。私の知っている2代とは違い、Big manもいなければ突出した能力を持った選手もいない。だから一見するとフツーのチームに見える。ところがところが、見た目は子ども!中身は大人!その名も!ではないが見た目とは裏腹に彼らは逆境を跳ね除け、不利な側面を克服&武器に変えようと刻苦精励している。だから、全員が頑張らないと諸刃になるのだが、その分誰にでもチャンスが与えられる。ふとしたきっかけは思いがけぬ力を発揮し、チームの中に溶け込み調和をもたらす。遠征や練習試合の中でそれは随所に見られ、皆がチャンスをものにしていった。よって不協和音は生まれず、むしろ蜘蛛の巣のような放射線状のチームを着々と構築しつつある。心技一体目指したラフカット・ダイヤモンド達の熱意には頼もしさを感ずる。指導者も打てば響き、伸びしろある彼らと共有する時間に余念がない。
ところで勉強って能力ある者、若しくはやり方を覚えた者が向上する(させる)ことは然程難しくはない。一方、やり方を模索しているような名も無き花が覚醒する(させる)ことは結構、至難がつきまとう。○○をやればという曖昧な道標と先の見通しもつかないことが要因。スポーツも然り、ラフカット・ダイヤモンド達然り。にちがく勢は先に述べた通りで、一意専心ながら暗中模索している。でも創り上げる自他の苦労はあれど点が線になった時は至福の瞬間に導かれる。この小さな成功体験の積み重ねが大事。彼らは道険しくとも光の射す方へ顧問、生徒、保護者の三位一体で歩んでおり、決してその歩みを止めない。
毎日傍で見ていると足りないモノ(克服すべき課題)が露見し、それの扱い方に持て余し気味の嫌いがある。完成度の高いチームはそれを払拭するor覆う程の力を持っていよう。しかし悲しいかな、にちがく勢にはその力はまだ備わっていない。けれど軽視すること無く時間かけて、という雰囲気も受け取れる。もっと感情露わにしろ、本音で話せ、葛藤しろ、迷え、他人に興味を持て、自分を優先するな・・・。相互理解がチームを強固にする・・・。
今週末に世田谷区民大会が催される。10月からは支部大会(新人戦)もある。新チームが夏を経てどれだけ心技体を磨いたかが試される。もしかしたら「夏が終わる」どころか「終わらない夏」のままかもしれない。
セレンディピティー(serendipity)それは偶然が生み出した産物。サイズがない、長身選手も留学生もいないのが現状。でも、でもだよね?向かい風はチャンスを手に入れるためのエッセンシャル・スパイスなり。