「Tokyo Thanks Match」と称された大会が9/13より都内各所にて始まった。我らがにちがく勢は都立葛飾総合高を迎え、150対52と圧勝にて初戦を飾った。会場がホームであったことも手伝ってのことと察する。
公式戦は久しぶり故、入り方が懸念されたがそれも杞憂に終わった。無観客試合という練習ゲームにも見ない違和感はあれど、やはり久しぶりの試合はいいものだとつくづく感じた。♯9のレイアップで先制点を奪い、試合は始まった。今回は3年生全員がベンチ入りを果たしそれぞれがこれまで練習してきたことをつぶさに魅せた40分だった。
4Q終盤に♯20の選手が投入された。私は彼のプレーを脳裏に焼きつかせるべく瞬きをも忘れるほどに注視した。恐らく、否、絶対、にちがく勢も同じ気持ちを抱いていたに違いない。プレーする他4人は♯20に幾度もボールを集め、シュートチャンスを作る。筆舌し難い過去を背負った彼は決して臆すこと無く、また仲間の期待に応えるべくシュートを放つ。やや緊張していたか、なかなか決まらない。すると残すところ1分弱、敵のボールをカット、くるりと体を反転し、そのまま鮮やかなレイアップに持ち込む。♯5と♯14が援護に走る。ボールは無人ゴールに沈んだ・・・。その刹那、パスカットの瞬間から既に立ち上がっていたベンチから高々と拳が振り上げられた・・・。止まぬ歓声、鳴り止まぬ拍手。その後もファールを受け、フリースローも2投とも決める。相手校にとっては控えの選手の一人でしか無かったろう。でも私たちにとっては「・・・よくぞ、よくぞ!」という思い出しか無い。これを読まれた方は「?」でしかないので書くことに迷いがあったが、白星発進、3年生全員のベンチ入り、♯20のプレーは長く続く大会の幕開けに相応しく、また吉兆の表れと解し、紹介させて頂いた。
「Tokyo Thanks Match」…「ありがとう」誰に向けられた言葉?「有り難う」何があり得ないこと?その答えはにちがく勢の胸に大事にしまわれている。