とある雨の休日、部活が休みだったこともあって犬の散歩に出かけた。いつもの散歩コースの途中にある商店街を抜けようとするとシャッターの閉まった店の中からJazzが聞こえてくる。大音量のそれに足を止める。雨とJazzとは何という哀愁漂う素敵な組み合わせではないか。丁度、アーケードが雨を避けている、商店は殆ど閉店していたこともあり犬には悪いがそこで長いこと居座りその調べに酔い痴れた。後3分、後1曲と駄々をこねながら結局、1時間近く雨を眺めながら聞いていた。実に至福の時間。
授業で雨が好きだと話す生徒が少なからずいた。落ち着くからといっていたが共感できる。私も雨が好きで若い頃は豆から淹れた珈琲とやはりJazzを聞きながら雨を何時までも眺めていたもんだ。
春は春時雨に小糠雨、梅雨時の五月雨や卯の花腐し、秋の長雨はすすき梅雨、秋霖、冬は時雨に山茶花梅雨・・・等々。どの雨も季節に応じたもてなしを魅せ、私に落ち着きや休息をもたらしてくれる。
実家は田んぼと山に囲まれた長閑な村だった。幼少期に田植えをしたばかりの田んぼに降る雨を、延々と続く小さく細かな波紋を飽きずに見ていたことも。
雨は私にとって揺りかごに揺られているような安らぎをもたらしてくれる。
只今、啓蟄中。恵みと潤いの雨が春を運んでくる。公園にタンポポも咲き始めた。卒業式ももうすぐ。
旅をしたい、と思うことは現実逃避の表れと昔誰かが言ってた。なんと言われようが構わない。 If there was a land where it was raining, I would fly over and look at it all day.
あ~今度は何時降るのかなあぁ・・・。なんだか金子みすゞの詩集が読みたくなった。
「?」な今日のつれづれなるままにでしたが、雨の中のJazzにもたらされた心地よさを共有したかっただけ。
とっぴんぱらりのぷう
「お日さん、雨さん」
ほこりのついた 芝草を 雨さん洗って くれました。
洗ってぬれた 芝草を お日さんほして くれました。
こうして私が ねころんで 空をみるのに よいように。
(金子みすゞ「お日さん、雨さん」)