4/8(金)高校3年生を対象に、創発学の一環として、平塚市議会議員の江口とも子さんに「主権者教育」の授業をしていただきました。
選挙における投票権が18歳になったことで、どの学校でも「主権者教育」を行います。大抵の学校で行われる主権者教育は、先生が「民主主義は歴史的に勝ち取った権利じゃ〜、選挙行け〜」とやるわけです。もうちょっとアクティブには、色々な政党の主張を比較して、時には政党の人を呼んだりして模擬投票をするとか。
もちろんそれらも悪いことではありません。
しかし、私たちの「主権」とは、選挙での投票行為だけを指すのではないのです。
立候補して政治に関与して社会を良くする権利。
立候補しなくても、自分が生活の中でどうしようもなく対峙してしまう課題をなんとかしようと試みる権利もあり、そういう場面において、まさに「政治」がじぶんごと化するわけです。
生徒たちにどのようにその大切さ、面白さを伝えるか。
「主権者教育」とはそれに尽きると考えます。
それには何よりも大人が政治に「素敵に」関わっているということを伝える以上のものはない、と思うのです。
ですので、江口さんにお願いしました。
もう、ノリノリで引き受けてくださり、多忙な時間を割いて準備していただきました。
正直それだけでも嬉しいというか、意気に感じて下さってるのがひしひし伝わるのです。
人の意気を新たな意気としていくことに政治の「意義」があるのではないかと思います。
最初の30分は、政治の「中の人」の話。
江口さんは、政治とは、自分の体と心が感じた社会との「接点」における違和感をスタートにするのだと言います。
なので、自分が感じている「モヤモヤ」を言葉にして共有しようと。
後半は、生徒たちの「ディベートしない話し合い」が始まりました。
話し合いをするグループを回りながら「声」を拾おうとする江口さん。
生徒たち、未来の「主権者」も素直に言葉や心情を述べます。
江口さんは生徒たちに目線を合わせてその「声」に耳を傾けます。
時間の制約もあり、もっと多くの声をみんなで共有できたら良かったのですが、生徒たちは自分の違和感を率直に言葉にしていました。
政治について感じ考える最初の一歩。
丁寧な一歩目を省略して大文字の政治を教えることは簡単だと思います。
2019年に日本財団が欧米アジア9カ国の17〜19歳を対象に行った『国や社会に対する意識調査』によれば、日本の若者は「自分で国や社会を変えられると思う」(18.3%)、「自分の国に解決したい社会課題がある」(46.4%)、「社会課題について、家族や友人など周りの人と積極的に議論している」(27.2%)という項目に対して肯定する回答率が9カ国の中で最も低いという結果があります。
この状況は単に選挙権を18歳に引き下げれば改善されるわけではないでしょう。
江口さんは「宗教の話と性の話と政治の話、この3つを日本人は避けてしまう傾向がある。どれも大事な話で、一人一人の政治への関心、政治力が少しでも上がれば、日本全体ではものすごく向上する」と言います。
この話は生徒たちにも印象深かったようです。
是非とも今日見つけたモヤモヤを、このまま友だちの中や家族の中で言葉にし続けてほしい。
そのような願いを込めて会は終わりました。
江口さん、本当にありがとうございました。素敵な学びでした。