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「『ろうそくの科学』は『ファラデー』からのクリスマスプレゼント ~好きこそものの上手なれ~」 恩田教頭先生(理科)

投稿日2019/12/24

 毎年、10月の初旬にノーベル賞の受賞者が「生理学・医学賞」から順に「物理学賞」「化学賞」と発表されます。この時期になると、各賞のどんな分野の人にノーベル賞が贈られるのかが非常に楽しみです。ちなみに、受賞式の12月10日は、ノーベルの命日です。

 

 今年のノーベル化学賞は、リチウムイオン電池の開発で吉野彰さん(旭化成名誉フェロー)が受賞しました。受賞後のインタビューの中で、小学生の時、先生に勧められてファラデー著作「ろくそくの科学」を読んで自然の原理に触れたことが科学の興味の原点と語っていました。

 「ろうそくの科学」という本の名を聞き非常に懐かしく、初めて読んだときの高揚感が蘇ってきました。40年以上も前の高校2年のとき、進路選択で工学部での進路方向を迷っていたときに化学の先生に進められ読んだ記憶があります。非常に面白く、常に面白いなあと思いながら「ろうそく」がなぜ燃えるのかの解明に引きこまれて行きました。その当時は、あまり「なぜ」という好奇心も湧かなく物理や化学・数学が好きだから工学部に行きたいという思いでした。ろうそくの炎は、芯が燃えてろうがおわん型に融け、ろうの気化した可燃性気体が上昇気流で上に移動して燃えます。ここには、「なぜ起こったのだろう?」「何が原因だろう」という好奇心がなければ見逃してしまうことだらけです。当時は、「ろくそくの科学」を何回も読み、この本の影響を受け応用化学科に進みたいと考えたものです。

 「ろうそくの科学」は、1860年のクリスマスにファラデーが子どもたちのためのおこなったクリスマス講演の講義録です。今で言うなら、偉大な科学者であるファラデーからの世界の子どもたちへのクリスマスプレゼント、好奇心を湧き起こす贈り物です。好奇心や関心を持つと何事も好きになり学んでみたくなり、好きになれば熱心に学ぶので上達が早くなります。好奇心や関心をもつことが大切です。
 「ろうそくの科学」は、全6講義から成り立ち、「炎のもと」「炎の明るさ」から「ろうそくから他の生成物」へと謎を解き明かしてくれます。

 

 読んだことがない人は、今年のクリスマスに約160年の時空を超えたファラデーからのクリスマスプレゼントを受け取って欲しいです。自分の心の奥底にある好奇心が芽生え始めてくると思います。

           ※ 日本学園図書館にある本です。ぜひ借りて読んでみてください。

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