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「二学期の始まりにあたって ~人間万事塞翁が馬」水野校長先生

投稿日2020/8/24

 2週間と短い夏休みが終わり、今日から二学期が始まります。その短い休みの中でも、勉学に部活動にそれぞれが励んだことと思います。しかし例年の夏休みなら部活動の合宿や自分なりの計画を立てて普段の学習とは違うことに時間を十分掛けて取り組める学生ならではの時間を謳歌できたはずなのに、今年は様子が随分と違ったことだと思います。

 そして新学期がはじまり、特に高校3年生にとっては、新しい入試システムだけでも不安があるのに、学校の授業や講習も例年と異なり、不安がさらに募っていることと思います。僕たちは、なんて不幸なんだと思う人も多いことでしょう。しかし、一時(いっとき)の時間で見れば、それは不幸なことかもしれませんが、もっと長いスパンで「今」を見たら一概に不幸な期間ではありません。

 この短い期間でも何かを掴み、何かを考えたことと思います。二学期が始まるにあたって、二週間を振り返り自分で再認識をしてみてください。

 「人間万事塞翁が馬」という格言があります。「塞翁が馬」とは、中国北辺の塞に住む翁の話です。翁の飼っていた貴重な馬が逃げて、周りから「おじいさん、大変な災いですね」と言われました。しかし翁が「いやいや、これが福をもたらすやも知れぬ」と言ってどこ吹く風の顔をしています。すると、逃げた馬が雌馬を連れて帰ってきました。周りの人は「おじいさん、よかったですね」と言われます。けれども翁は「いやいや、これがどんな災いをもたらすやも知れぬ」と答えて喜びもしません。やがて二頭の馬に子が産まれ、この子馬に乗っていた息子が落馬して足を折ってしまいます。また周りの人が「おじいさん、災難ですね」と言ったのですが、これまた翁は動ぜず「いやいや、この災いが福をもたらすやも知れぬ」と。やがて戦争が始まり、村中の若者が駆り出されて殆どが戦死してしまいましたが、この息子は足が悪かったので戦争に行かずに行き残ったというお話です。

 この2週間の休みで、何か考えることがあったはずです。それを小さな気づきとするかどうかは、自分自身です。こんな時だからこそ前をみつめ、小さな気づきを活かし一歩踏み出してください。先の見えない中ですが、今年の後半の目標に向かって部活動も受験勉強も、また新しい学び方にも果敢にチャレンジして欲しいと思っています。

 そして、これからも災いが生じようと、「人間万事塞翁が馬」で、悲嘆にくれるのではなく、しっかりと前を見据えて逞しく進んでいく人になってください。

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