高2のとあるクラスに、常に元気なA君がいます。
司法権についての授業をしていたときのこと。
刑事裁判の説明をする中で、検察官を主人公にした昔の連続ドラマ「HERO」を例に出しました。
イマドキの高校生は知らないかと思いきや、なぜかわりと知っている生徒がいてびっくりしていたら、A君が「オレはキムタクが出てたドラマだったらあれだな、ロングバケーションが好きだな」
そのまま口ずさんでくれました…東京ラブストーリーの主題歌を…
「歌が違う!!」と突っ込んだのが私だけではなかったのがまた驚きです。
また別の日には、あさま山荘事件についてコメントするA君。
あれ、平成生まれだよね…?
また別の日には、「先生、最近子どもとどう? うまくやってる?」と子育て相談のようなことを。
元気すぎ、ユーモアすぎ、昭和テイストにあふれるA君は友達も多く、放課後教員室に呼び出されたときなどは、廊下に数人、A君を待つ友達がいたりします。
そして、ちょっとシュンとして教員室を出てきたA君を囲み、じゃれあいながら帰っていく生徒たちを見ると、男子校っていいなあと思います。
これはA君に限ったことではなく、教員室に用事のある生徒を廊下で待つ友人たち、というのは毎日のように見られる光景です。
入試の合間、教員室で、「うちの学年の子たちは、どのクラスも楽しそうにしてるなあ」と学年主任がしみじみと言っていました。自分たちだけが楽しいというのでは、周りの迷惑をかえりみず騒ぐだけの存在になりがちです。(そして、そんな面が未だ残るのも残念ながら否定できません…)
でも、確かに、この学年に限らず、日本学園の生徒たちは楽しそうにしています。
活発な子、おとなしい子、我が道をゆく子、それぞれが肩の力を抜いて過ごしています。
同じクラスで過ごす仲間として自然とそこにいて、のびのびと、みんなが自分らしく過ごしているから、いい笑顔がたくさん見れるのですね。
このまま成長して、自分も周りも笑顔にできる、素敵な社会人になってほしいなと願っています。
写真と文中のA君は関係ありません。
写真撮るよと担任がカメラを向けたら、わざわざマスクを外して満面の笑顔をしてくれました。ありがとう。