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「新入生の皆さん、入学おめでとうございます」水野重均校長先生

投稿日2021/4/7

 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。今日から日本学園での生活が始まります。また、在校生の皆さんも明日から新学期が始まります。

 昨年は、どこの学校も感染予防のために学校閉鎖が続き、4月に入学式や始業式もできず、長期間に渡って学校を閉鎖し遠隔での授業を行う状況が続きました。今年は、遠隔授業まではいかないものの、昨年より感染状況が悪く、昨年の4月6日の東京都感染者数は85人に対して、今年の6日は399人と昨年より4倍以上も多い人数となっています。そのため、今年も感染予防措置として短い入学式になってしまったのが残念でなりません。

 さて、入学式では日本学園に入学した皆さんに、いつも「3つの心がけ」の話をしています。

 心がけの一つ目は「身体と心を鍛えること」です。そのためには「一日に一度は、身体の汗と心の汗」かいてください。時間を見つけてよく身体を動かすことです。少なくとも日に一度、身体の汗をかき、身体を鍛え、健康な身体を作って下さい。何をするにも、まず身体が健康であることが基本になります。次に身体の汗だけでなく、これも日に一度、心の汗をかいてください。自分の心が感動することが大事です。本を読むのもいいでしょう。あるいは友達とのお喋り、先生との話、テレビや新聞など社会の出来事からでも「自分の心が揺り動かされた」、「楽しかった、あるいは悲しかったと感じること」、「感動すること」が大事です。身体と心は、若い今でなければ鍛えられません。この二つがしっかりしていることは、事を成すときの土台となります。

 二番目に「しっかりと学ぶこと」です。「知るは楽しみなり」と言います。学ぶことは楽しいことです。自分が幼かった頃を思い出して下さい。文字を上手に書くことができたでしょうか。今では、文字を読むことが出来たとき、文字を書くことが出来たとき、その時のことを覚えていないかもしれませんが、嫌々やったというより、絵を描くことから文字を書きたいと自分で望み、何度も何度も練習して行くうちに上手に文字が書けるようになった筈です。最初から何もせずに いきなりお文字が書けたわけでもありません。何度も何度も倣って覚え、あるいは出来る人に習って身に付けてきた筈です。つまり習って学んできた、学習してきた訳です。そして、段々と自分の好きなことが見つかり、そのことに興味がわいてくると、もの凄い勢いで好きなことについての知識を吸収していったのではないでしょうか。

 例えば野球が好きなら、どこどこのチームには誰々がいて、この選手はどんな活躍をしてとか、興味の赴くままに知識を吸収してきたと思います。やがて単なる知識だけではなく、今度はどうやって上手にバットを振のだろうとか、何故早く走れるのかと思うようになったのではないでしょうか。

  この「どうして」や「なぜ」がとても大切で、自分で問いを見つけることが「学ぶこと」の一番の切っ掛けとなってゆきます。問いをもって学ぶこと、つまり「学問」へと学びが変化してきた筈です。

 校祖の杉浦重剛先生は「人は得意な道で成長すれば良い」と仰っています。自分の好きなこと、得意とすることを軸に とことん突き詰めて学習し、さらには何故そうなるのか、どうしてそうなるのか 問いをもって学んで行くことに努めてください。

 ただし、好きなことだけで全て完結できればよいのですが現実はなかなかそうも行きません。好きなことを理解するために国語の力は勿論、数学の力や社会現象など様々なことを総合的に理解する必要があります。この総合的な力はどのようにして身に付けるのでしょう。 一番手近な学びの場は学校です。学校で学ぶ授業は、好きなことを総合的に理解するために必要な力となります。今は 授業は辛いなぁ勉強って嫌だなぁと思っても好きなことを深く知るためにちょっと我慢してでも勉強しなければなりません。自分の好きなこと、得意なことを追い求めるためにも学校での授業は勿論、家庭での予習・復習を怠らず、ちょっと辛いと感じてもしっかりと勉強をしてください。それを乗り越えて行くことで、人としての基礎的な力、教養が身についていきます。

 三番目に「思いやりの心を育むこと」です。人は一人では生きて行けません。社会のなかで人と関わって生きています。人だけではありません。食べ物や気候などありとあらゆる環境によって生かされているのです。こういった環境自体に感謝することは勿論、自分の身近な人、家族や友達にも感謝の気持ちを持って、優しく接することが思いやりの心を育て、やがて人として自分を成長させてくれます。

 これからの時代、世界の人と付き合う機会も増えてきます。国が違うと文化も違います。文化が違えばものの見方も違ってきます。自分では正しいと思っても文化が違う人にとっては正しくないこともあります。自分では意識しない何気ない発言や行動が人を傷つけることもあります。そのような中でも「相手を理解しようとする優しさ、思いやりの気持ち」があれば、やがて理解し合い打ち解け合えることが沢山あります。思いやりの気持ちを育み自分自身の人間性を高め、徳を養うことが必要です。世界の人と交わっても恥ずかしくない人に育って下さい。

 「身体と心を鍛えること」、「しっかりと学ぶこと」、「思いやりの心を育むこと」を日々心がけ、日本学園での六年間、三年間を過ごし自分を磨いて下さい。

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