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職員室リレートーク

「夏の遠足〜市議会議員1日体験!」 伊藤先生 (創発学担当 国語科)

投稿日2021/11/4

夏休みのことですが、7/25(土)に創発学の学習として高校生2名と一緒に、平塚市議会議員、江口とも子さんの活動を体験してきました。今回はそれを報告します。
政治に興味のある生徒と、地方自治や地域活性化に興味がある生徒がぜひ体験したいと言うので、友人である江口さんにお願いしたところ、乗り気で引き受けてくださり、日程まで考えていただき実現しました。
名付けて「夏の遠足〜議員さんのお仕事1日体験!」

8:20 平塚駅集合。
初めてお目にかかる「本物の議員さん」の前で若干緊張する生徒諸君。
生真面目男子1名はきちんと制服着用で集合。感心です。

9:00 平塚海岸で、地元のサーファーの方々や住民の方々と海岸の清掃活動に参加。
地元サーフショップの剣持さんは20年間毎月清掃活動を行っているとのこと。
プラスティックゴミがあるわあるわ。これらは全部海の中にあったものが打ち上げられたもの。
実際に拾ってみて初めて海洋汚染がどれくらい深刻かが分かる。


10:00 開発問題で揺れる平塚海岸砂防林の中を案内していただき、開発問題について江口さんからレクチャー。
単一の樹種のみならず多様な植栽により、長い時間をかけて砂防林の生態系を作り上げていることに驚く。平塚海岸はウミガメが産卵地として訪れる場所でもある。クマゼミが飛び交う森には花も咲き、ここが一つの生態系を形成することで、付近の住民の暮らしを守っていることが分かる。

11:00 近くのファミレスに移動し、昼食を摂りながら、駅頭演説で配布する江口さんの活動を伝えるビラの「折り」と帳合いのお手伝い。
参加高校生の一人は元スイマー。オリ・パラの話しをきっかけに高校時代の部活の話などでわいわいとブレイク。単純作業に潜むこうした面白さが大切ね。
画家でもある江口さんの活動を伝えるビラは全て手書きで、とてもチャーミング。政治的な内容にどうしても感じてしまう「硬さ」が取れ、身体にすっと入ってくる感じ。
「本物の画家にはなれないけれど、画家であることが議員の一部になっている」という言葉が印象的だ。まさに、「人は得意な道で成長する」である。


13:00 平塚駅南口にて街頭演説。
何人もの支援者がビラ配りなど応援に駆けつける。
私たちもビラ配りにチャレンジ。
とにかく、相手の目を見て、笑顔で。もらっていただいたら「ありがとうございます!」
生徒曰く、「ビラを配る側になって初めて、取ってくれない人々の無関心さが分かった。今まで自分も受け取らなかった。これを何とかする必要がある」
やってみて初めて分かることがある。
ふと思う。SNSも悪くないけれど、人に伝えたいことがあって、それを書いたビラを作り、人に配ることができるって本当は大事な能力じゃないか?
炎天下、1時間近く江口さんはマイクを手に話し続ける。
終盤、「せっかくだから君たちも話してみない? 今日海岸に行って感じたことをとにかく話してみよう」
というわけで、マイクを握る生徒たち。江口さんに助けられながら、いきなりの「振り」に敢然と声を振り絞る生徒たち。
「演説してみて初めて、その人には聞かせたいものがあるのだと分かった。これからは街頭での演説に関心を持ってみたい。」
これもやってみて初めて分かること。


14:30 平塚市立美術館、ようやく涼しい場所へ。
平塚市の障害者福祉サービス事業所studio COOCA(スタジオ・クーカ)の作家による作品展で美術鑑賞。
展示作品は、どれもこだわりの強い作風ばかり。だけど閉鎖的ではないのが不思議。作者の声が聞こえてくるものばかり。この展示の実現にも江口さんは尽力してきたとのこと。
校外学習の機会も失われた高校生たち。本物の美術に触れるのも久しぶりであったようで、一つ一つの絵に見入っていたようだ。

15:30 平塚駅にて「遠足」は終了、解散。
海岸清掃から半ズボンだった生真面目制服男子高校生も、再び制服に着替え帰途に着く。
朝から今までやったことのないことにトライして、さぞかし大変だったでしょう。
お疲れ様でした。

皆、市議会議員江口さんの活動をほんの触りだけ体験させていただいて、議員や政治家と呼ばれる人々について「驚き」をもって認識を新たにしたようだ(【生徒の感想】参照)。

このコロナ禍をめぐる騒動その他以降、「政治」といえば「国政」のイメージが強い。先日は衆議院選挙も行われた。その投票率の低さたるや。「政治」と聞くと、私たちは遠い世界の話と感じたり、ともすればそれについて話題にすることも二の足を踏んでしまったりする。
しかし政治は本来、私たちの生活の「現場」に関わるものなのだ。
私たちの身の周りに起きている、もしくは起きるかもしれない問題に対処するとき、政治がやっぱり必要なのだ。
政治は身近にあり、それを魅力ある人が担っているという具体的な事実を、特に若い人に伝えることは、教育の仕事であり、本当の主権者教育だと強く思う。

【生徒の感想】より
・今まで、政治家や議員の方々は町の財政などに力を入れ、今日のことなら、海岸の清掃や海街フェスの企画などを積極的にやっていると言う印象がありませんでしたが、自分が思っている以上に政治家や、議員の方々は身近に親身になって活動をされているのだと印象が変わりました。

・政治家の方々は選挙で勝つことだけを目的にきつい作業を任せっぱなしと感じていた節が自分にはありました。しかし、地道な作業も淡々とこなしていて凄く感銘を受けました。街頭演説で、自分があの場でマイクを握った時、緊張してしまったことから議員さんがどれだけ心が強く、決意が堅いのかを知りました。

・テレビでは悪い面、国会議員などを報道しているが、地道に努力をして活動している人がいるという点を報道するべきと感じました。また、街頭演説をしているにも関わらず、素通りしてしまう事が問題点だと思った。自分も一生懸命、配っていたのでこれからは貰おうかと思います。ただ、自分が話すとは思ってなかったので驚きました。

それにしても、政治って何?
江口さんはこんなことを話してくださった。
「より良い地域社会を作るために、あるいは地域の問題を解決するために、人々へ向けてアウトプット(話すこと)を前提に、具体的な活動の中で様々なものを見てインプット(経験し言葉に落とし込む)する」

毎週日曜に活動報告の演説をするには、その一週間に具体的な活動をして、その中で人々に語る「言葉」を見つけなければいけないわけで、もっと言えば、人々に向けた言葉を探すための活動は、自ずと人々のための活動になるという、きっと政治とはこのようなアクションのことを言うのだろう。まさに、「創発学」での学びに他ならない。

江口さんには本当に感謝です。
一緒に同行してくださった支援者の方々にもお礼申し上げます。
その心根に打たれました。
ありがとうございました。

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