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職員室リレートーク

「『校歌』を分析する」谷口哲郎先生(教頭)

投稿日2022/4/16

 「校歌」はいろいろな節目節目(式典など)で歌われますが、6年間あるいは3年間日本学園で学ぶ中でじわじわと私たちの心身にしみ入るようになってきます。そして前奏が流れるだけで「わが校の歌」という感じが無意識のうちに身内に沸き起こってきます。

 

 さて、私たちの「校歌」ですが、詩の形式で言えば「文語定型詩」、内容的には「叙情詩」です。作詞をされたのは、本校校長を務められた柿内三郎先生(日本の生化学の分野の礎を築かれ、柿内三郎記念賞がある)で、作曲者は戦前準国歌と言われた「海ゆかば」(詩は大伴家持)の信時潔です。文語で書かれているために、現代の私たちが歌うときに、ここはどういう意味だろうと思う部分がいくつかあります。その部分がわかると意外に知られていない「校歌」全体にかかわるある事実が見えてきます。

 

 先日行われました入学式で保護者の方から「校歌」について質問が出されました。2番の歌詞冒頭「天地のみかは/人の世の/あつき恵みに/こたへつつ/―」の「みか」とは何ですか?という質問でした。突然のことで最初は「?」とすぐには答えられず、「のみ/かは」だとすぐに気づき、「反語」表現で「天地だけでしょうか?いや天地だけでなく、人の世の(ふだんありがたくいただいている)あつき恵みに応えながら同時にー」くらいの意味になることをお伝えしました。

 

 またあと一カ所解釈の難しいところがあります。1番「歩まなむ」、2番「つくさなむ」、3番「うちたてむ」の部分の意味の理解です。1番と2番は「動詞の未然形+終助詞なむ」の形で「〔他に対する願望〕…てほしい。…てもらいたい。」という意味になり、「歩んでほしい」「尽くしてほしい」となります。3番だけ「打ち立てよう」となるでしょう。

 

 最後に「校歌」の歌詞の「語り手」を問題にしたいと思います。この歌詞を書かれた柿内三郎先生が生徒に向かって呼びかけている形で書かれていることがわかります。1番冒頭の「いざや学ばむ」や3番冒頭の「いざや進まむ」は「もろともに」が続くように、先生が生徒に「さあ、学ぼう」「さあ、進もう」「一緒に」と呼びかけているのです。生徒と先生が一緒に歌う歌詞になっていることが、実は本校の「校歌」の特徴であることがわかると思います。

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