3年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
3年前の4月、まさかの全国一斉休校という日本中が大混乱していた不測の事態の中で始まった高校生活もいよいよ終わりを迎える時がやってきました。長かったような、それでもやっぱり、個人的にはあっという間に時間が過ぎていってしまった感じがしています。みなさんの顔を知らないまま電話をかけて「担任ですが。。。」と連絡を取り合っていたあの異様な時間が懐かしいです。いつ入学式が行えるのか、いつみんなと学校生活が送れるのかとヤキモキした時間を過ごすこと2か月弱、6月にようやくみなさんはこの日本学園に登校してきたのです。
Zoomを使っての朝のホームルーム(今では当たり前のように利用されているZoomですが、以前までの学校生活ありなかった手法です)が功を奏してか、登校してきたみなさんはすぐに打ち解けあい、例年に比べてもあっという間に仲が良くなっていたことを覚えています。
さて、皆さんは入学以来今日まで、日々の学習はもとより、数々の学校行事やクラブ活動・委員会活動を通して、共に学び、友情を深めてきたことでしょう。その思い出は尽きないものがあると思います。コロナの影響により、それはそれは様々な教育活動に制限がかかってしまったことも事実ですが、そんな困難を乗り越えてきた経験は今後のみなさんの糧になるはずです。みなさんの歩いてきた道は、そのまま『にちがく』の伝統や校風となって後輩に引き継がれて、さらに発展していくものと信じています。
人生にはいくつかの節目がありますが、君たちにとって3月11日はその区切りの日です。三年間あるいは六年間通った学舎とも別れ、また新たな旅立ちを迎えます。これから先の長い人生の中で、嬉しいことはそう何度もあるわけではありません。むしろ、辛く苦しいことの方が圧倒的に多いに違いないからです。今までよりも数段理不尽な場面に遭遇することでしょう。無理難題を押し付けられることもあるでしょう。ですが、絶対に負けないでください。逃げないでください。そうした苦しみを経て勝ち取ったものだからこそ尊いし、幸せを感じるのです。
みなさんにとってたった一度のかけがえのない高校生活に関われたことを、輝かしい未来へのお手伝いができたことを、私は大変誇りに思います。
みなさんの無限の可能性に期待し、大いなる飛躍をこの母校から楽しみにしています。