生徒諸君、卒業おめでとう。本日、第3学年120名は、第131回卒業式を迎えることになりました。
皆さんは3年生になってから、進路目標実現に向けて受験勉強に励んできました。大半の人が受験を終えてすでに数多くの合格が出ていますが、まだ受験が続く人は最後まであきらめずに挑戦してほしいです。目標達成を祈ります。
私は以前、皆さんに「将来の自分の進路を自分の力で切り開いて行ける、自立した人間になってほしい」と言ったことがあります。人によって進路は違いますが、皆さんはこれからまさしく自らが切り開いた道を進んでゆくことになります。
思い起こせば3年前の入学式は、コロナのために2カ月遅れの6月1日でした。この学年は入学当初からコロナの影響を受け、休校やオンライン授業の時期が続き、部活動の時間も制限されていました。私自身、学年主任として学年集会や修学旅行の事前学習などで話す時、オンラインによることが多く、なかなか対面で皆さんと話ができないもどかしさを感じたものでした。
ただ、コロナによるさまざまな制約を受けるという困難な状況にありながらも、皆さんは日々の授業・学校行事・生徒会活動・クラブ活動などに一生懸命取り組んできました。私はかつて皆さんに高校時代は「少年」から「青年」へと移り行く時期であると話しましたが、この3年間、皆さんは多くの困難を乗り越えて立派に一人の青年へと成長したと思います。高校3年間で学んだこと、体験したこと、人との出会いが、これからの皆さんの人生に活かされることを願っています。
人は年齢に関わらず、一生、学び続けるべきですが、特に10代から20代初めにかけて学んだことは人生の土台となり、体験したことや人との出会いはかけがえのない財産となります。これからの数年間は、皆さんの人生を方向づける重要な時期になると思います。
近代日本の有名な政治家である尾崎行雄は「人生の本舞台は常に今日以後にあり」という言葉を残しました。これは人生で一つの舞台を降りるその日からすでに次の舞台が始まっている、そして新しく迎える舞台でこそ、人は真価を発揮すべきなのだとの意味がこめられています。
この言葉を借りていえば、皆さんの卒業式は高校生活という舞台の終わりであると同時に、新しい生活へのスタートでもあります。皆さんは高校時代、成功だけでなく時には失敗もあったかもしれませんが、それらの経験をふまえて新しい世界で活躍することを願っています。
またいつの日か、機会があれば母校を訪ねに来てください。成長した皆さんの姿が見られることを楽しみにしています。日本学園から船出して、未来へと航海する皆さんの人生が幸多きものになることを祈っています。