新入生の皆さん、入学おめでとうございます。今日から日本学園での生活が始まります。また、在校生の皆さんも明日から新学期が始まります。
さて、日本学園の生徒として、日々心掛けて欲しいことがあります。それは「身体と心を鍛えること」です。そのためには一日に一度、「身体の汗」と「心の汗」をかいてください。
まず「身体の汗をかく」は、時間を見つけて意識して身体を動かすことです。今までの生活を振り返って、何か運動をしていたでしょうか。 スポーツ系の部活動をしている人は、その活動のなかで嫌でも身体を動かしていますからよいのですが、部活に入っていないと、ややもするとジッと静かに座っているか、ゲームや、あるいはテレビを見ながら寝転んでいることが多くなってしまいます。勉強をしていて座っていることもあるでしょう。そういう人はなおさらです。
隙間の時間を見つけて「一日に一度は身体の汗をかいて下さい」。例えば、通学途中に早足で歩くのもいいでしょう。あるいは昼休みや学校から帰った時に10分でも20分でも走ってみるのもいいでしょう。ことさらにウエイトトレーニングとか激しい運動をしなくてもいいのです。
身体の汗をかくことで血の循環がよくなり、身体全体に酸素が取り込まれます。特に皆さんのように成長する時期は、身体の成長に多くの酸素を必要とします。意識して身体を鍛えて下さい。
次に身体の汗だけでなく、これも日に一度「心の汗」をかいてください。「心の汗」をかくと言っても身体の汗とは違って、汗そのものが見えるわけではありません。
心の汗とは「自分の心が感動すること」です。本を読むのもいいでしょう。あるいは友達とのお喋りや先生との話、テレビや新聞など社会の出来事からでも「自分の心が揺り動かされた」、「楽しかった、あるいは悲しかったと感じること」、「感動すること」が大事です。
感動すると言っても最初はなかなか難しいものです。文字だけを追っていても感動はしません。文字に表された奥深いものに接してゆかないと感動しないのです。映像をただ漠然と見ているだけでは感動しません。自分の感情を込めながら見てゆくことで、心が揺り動かされることがあるのです。スポーツで試合をしても適当にやっていては、負けてもさして悔しくもありません。真剣にやるから負けたときの悔しさ、勝ったときの喜びがあるのです。
何かを見たり、聞いたり、触れたりすることで感動する経験を多く持ってください。些細なことにも心の目を向ける力は、若い今でなければなかなか身につきません。ですから、日ごろから「心の汗をかくこと」を意識して物事を見つめて下さい。
「身体と心」は、若い今ならばこそ鍛えられるものがあります。この二つがしっかりしていることは、何かを成すときの基礎となります。