今年、教育実習生としてきた2人は共に中1から6年間日本学園に通い続けた人たちで、私も彼らの中学時代を良く知っています。そのうちの1人に「中学から高校に上がるという頃にどんなこと考えていた?」と聞いてみると、当時の生徒と教員の立場では聞くことのできないことも話してくれました。私にとっては30年も前のことでどうにも中学生に伝えることができませんが、実習生としてきた彼なら「中学時代のもやもやっとした感情」や「自分のやりたいことに振り切った気持ち」など今の中学生に届く話ができるのではないかと思い、急遽進路について話す会の特別ゲストとして話をしてもらいました。
「中学と違って高校はもっと勉強頑張らないといけないんだよ。先輩たちは頑張ってこんな大学にいったんだよ」教員が話すとどうしても説教じみてしまう。このままでは「高校は勉強が大変だ」としょげてしまう。頼んだ若手先生。
「勉強大変だと思う人」大勢の中学生が手を挙げました。「私もそうでした、基礎基本を学ぶのは本当に大変、でもその大変さを乗り越えた後には問題も解けるようになるし、勉強も楽しくなるよ」(教員が言っても伝わらないんだよね)
また彼は自分の海外留学体験に触れ、「会話もできないし語学も自信なかったけど、やりたいと思ったらまず行動を起こすべし。『できないから』を理由にしたら何も始まらない。でも行動を起こすならちゃんと「これをやりたい」という意思を持たないとだめだよ、なんとなく始めることはたいてい失敗する」
将来のことを考えるとやらなければいけないことが多すぎて嫌になってしまっている中3生も多いでしょう。でも目の前の「やりたいこと」を再認識させ、そのために頑張るなら一歩目を踏み出せる人も増えるだろう。彼の言葉で「今日からがんばってみよう」と思えた子が増え、「これからは先生の言うことをちゃんと聞こう」と思ってくれる生徒が増えると助かるなと思います。
体育祭では中学3年生たちは本当によくがんばりました。初めての取り組みも楽しんで成し遂げ、自分の苦手だなと思うことであっても「大変だけどやってみよう」と言える前向き人間になってきています。次は文化祭。「こんなの無理だよ」と言ってしまうところは気になるけれど「こうしたら上手くできそうだ」と前向きな話し合いをしていきたいなと思います。今の中3生ならきっと私たちの想像を超えるものに仕上げてくるのだろうなと信じています。がんばれ中3生。
願わくば、頼まれたらどんな無茶ぶりでも二つ返事で「やりますよ」と言えるきっぷのいいあの教育実習で来た先輩のような人間になってほしい。