ある国の文字の読み書きを習いたくて、昨年から教えてくれるところを探していました。今年の初め頃に、某大学で4月からZoomを使った市民講座があると知り、申し込みました。
授業が始まると学んだことをどうやって覚えるか苦労しました。自分が分かればいいのでイラストを描いてみたり、絵描き歌ならぬ文字書きワードや三角関数を覚えるときみたいな語呂合わせの呪文を作って、単語帳を買って書き込んで電車の中などで覚えました。私を突き動かすのは少しの情熱と「授業料の元を取りたい」という心理です。
宿題はpdfファイル化されていて、パソコンを使った抽出方法、書き方、提出方法が分からなくてあせりました。なんとか検索してやりかたは分かったのですが、自宅のノートパソコンで宿題のページを抽出してコンビニで出力して、手書きで解答してからお絵描きソフト用のペンと板タブレットをノートパソコンにつなぎ、手書き機能で解答を書きうつして提出…と、デジタルとアナログを行ったり来たりしながら取り組みました。
期間中は授業で先生に指名されたときの緊張感や、「あー、宿題やらなきゃ…。」と気が重くなる感じや、解答に〇をもらったときの嬉しさをひさしぶりに体験できて楽しかったです。
さて、全くなじみのない言語を最初から習うにあたって、心構えとして読んだのが『語学の天才まで1億光年(高野秀行著 集英社インターナショナル)』です。著者は辺境のノンフィクション作家で、世界の危険地帯の取材をしたいがためにその地域の言語を次々と学んでいきます。この本には著者の語学学習の過程と危険地帯での体験記が書かれています。
著者は取材が終わると語学学習もやめてしまうので、タイトルのように語学の天才からはほど遠いと自己評価していますが、ちょうど習いたい言語についての学習のやり方が載っていて、その内容や具体的な取り組み方は読みごたえがあっておもしろく、参考になりました。この本は図書室にありますので、ぜひ読んでみてください。
この本で学んだことは、その言語のルールなどで日本語や英語と違うところがあっても比べないで「そういうものなのだ」と受け止めること、とにかく覚えないと先に進めないということです。実際にゼロから語学学習をして、1億光年の遠さをちょっとだけ感じました。筆者が1億光年なら、やっと文字の書き方を覚えた私はどのくらいの距離になることやら。今後もコツコツ頑張りたいと思います。