飯田龍太の俳句
1月の川
1月の谷の中
いよいよ受験が目の前に迫ってきました。緊張している受験生も多いでしょう。
私は毎年1月になると、上に掲げた俳句を何度も心の中で唱えます。詠むとなんてことない言葉(俳句)ですね。しかし私の心にはとても響きましたし、いわゆる「刺さる言葉」となりました。
「1月の川」なんて普通のイメージですが、1月が指すものを想像してみましょう。新しい年を迎えた最初の月で、新鮮さに満ち満ちて新しい展開が期待されますね。受験生の皆さんもこの1月の自分の取り組みを思い出してみてください。前を向いてひたすら問題に向き合って解いてきたでしょう。その苦労は手に取るようにわかります。そこに「川」が流れています。1月の川はまだ冷たく、もしかすると雪も混じっているかもしれません。そういった冷たさも確実に春に向かって徐々に温かさを増していくはずです。
「1月の谷の中」と続きますが、その川は誰も知らない「谷の中」にあるというわけです。皆さんは努力を精一杯行ってきたはずですが、「谷の中」にあってまだ結果としてはっきりとは目には見えない。春の訪れもまだ1月のうちだと、また谷の中だと、はっきりと目には見えません。
私にとっては、この1月の風景は、受験生のラストスパート、1月の頑張りを言い表しているように思えてなりません。見えないところでこつこつと春の入学を思って取り組んできた皆さんの努力!
保護者の皆様、ご子息のこの見えない努力をぎゅっと抱きしめてあげてください。きっと持てる力を存分に発揮してくれるはずです。
日本学園中学校・高等学校は、君たち受験生のその強い気持ちをどーんと受け止めたいと思います。精一杯、時間一杯、ベストの答案を作り上げてくださいね。期待しています。