三年間、行事や部活動、休み時間や放課後に至るまで、みんな楽しそうに過ごしていたなあ、と思います。もちろん、楽しいことばかりではなくて、辛い時も、もう全てイヤになって投げ出したいときもあったでしょう。教師といえども、担任といえども、皆さんが心でどう思いながら過ごしているかまでは、どれだけしっかり見ようとしてもなかなか分からないものだし、分からないのが当然だとも思います。皆さん、大人になっていく過程ですから、誰にも見せない悩みや痛みはきっとあったでしょう。
それでも、日本学園での日々が楽しかったと言って卒業を迎えることができていたら、共に三年間を過ごした身として本当に嬉しく思います。
最後なので本音を言うと、「高校生活で何を得るかが大事」なんてよく言われがちですけど、本当はどうでもいいと思ってます。だって、ここで三年間も生活したんだから、絶対に何かを感じて、「何を」なんて言葉にできなくても、何らかの変化があったはずなのです。世の中、変わらないものなんてないのだから。そして、私が見てきた皆さんは、入学した三年前よりも生き生きと楽しそうな表情になり、頼もしい言動をするようになり、大きく成長しましたと、自信を持って言えます。日本学園を卒業しても、きっと大丈夫。強くたくましく、しなやかに、自分たちの幸せをつかんでいってくれるでしょう。
ふり返らずに進んでいって欲しいと心から思うけれど、「母校」として、ふと思い出してくれたら嬉しいなとも思います。皆さんが巣立った場所に、私たちは（定年までは）いて、遠くから見守る気持ちをずっと持っています。
卒業おめでとう。これからの皆さんに、幸多かれと願います。
