本日(12/5)、2学期期末試験が終わりました。その後、各ホームルームで事前学習をし、午後から講堂でこれも事前学習として映画『島守の塔』を見ました。
これは戦前最後の沖縄県知事、島田叡(しまだあきら)の沖縄戦中の活動を映画化したものです。戦前の知事は官選知事といって政府(内務省)の任命によって赴任する知事です。沖縄の日本軍には、本土決戦のための時間かせぎをしろ、という命令が出ていました。そこに赴任するわけですから生還は期しがたいはずです。過酷な運命が待ちかまえています。沖縄戦が近づくと前任知事は何かと用件をつくって内地に出張するなど、いまいち、やる気と覚悟に疑問符のつく知事でした。
しかし、中学、高校、大学と野球をつづけたスポーツマンの島田氏は必死の覚悟をもって赴任し、住民とともに沖縄で最期をとげました。
映画を見終わったいま、生徒それぞれが感想をもったと思いますが、いかに島田氏がまじめに任務に精励したかということよりも、理不尽にも沖縄戦に巻き込まれた住民たちの思いをくみとることが大事です。当時の日本のお国柄からしてやむをえないこととはいえ、島田氏は知事として住民を戦争から守ることができませんでした。何十万人という犠牲者の数字の裏に多くのひとの人生があった、ということに思いをはせたいと思いました。
なお、野球人であった島田氏は沖縄県の野球関係者からもリスペクトされていて、戦後、那覇市内の運動公園には島田氏の顕彰碑がたてられ、グラウンドには「兵庫、沖縄友愛グラウンド」と命名されました(島田氏は兵庫県出身)。