今年は生徒と顔を合わせる機会もなかなか訪れずいつもとは違う新学期を迎えた。もちろんクラブ活動も例年とは異なった。対人練習はいっさい禁止、それどころか生徒間でのボールのパスも禁止。できることといえば一人でシュート打ってリバウンドを拾いに行くだけ。大会もことごとく中止になり、三年生には本当に残念な思いをさせたと思う。
あれから半年たって、練習も日常に戻りはじめ、練習試合もいくつかの制限はあるもののできるようになった。そしてついに中体連でも秋の新人戦から大会が開催されることとなった。
世田谷区では区の大会が春、夏、秋、冬の4回行われる。その中でも秋の新人戦と夏の選手権は都大会出場をかけた大会となっており、世田谷区は参加する学校数が多いため4つの学校が都大会へ進出することができる。4つも出場できると聞くと「たくさん出られるのね」と思うかもしれないが、全国度々出場しているU中を筆頭にS中、K中など都大会常連の強豪校があり、都大会出場にむけて毎年熾烈な戦いを繰り広げている。
ここ数年、にちがく中のバスケ部も結果を残せるようになり都大会へも出場できるようになってきた。それでも区大会で優勝することはなかなかできず、2年前に1度だけある。でもそれは冬の大会で都大会につながるものではなかった。秋の新人戦は都大会へとつながる大会であり、特に今回の大会は区を1着で抜ける大きなチャンスであった。この春の練習の無い期間がよい方向に作用し、みなぐんぐん背も伸びてかつてないほど大きいチームへと成長したからだ。練習ができていないのはどの学校も同じ、それならば背が大きい方が有利というわけだ。
こうして始まった大会だが、1,2,3回戦と100点ゲームで勝利し、都大会出場を決めた。準決勝もどうにか勝利し決勝を迎えた。例年なら準決、決勝は同日に行われるが、今年はすべて1日1試合ずつと決まったので体力的には問題なし。また無観客試合であったのも有利に働いたかもしれない。相手校の女子の黄色い声援で精神面が大きく削がれることもなく十二分に練習の成果を発揮できたのではないか。初めて区大会を1着抜けで都大会に臨めることとなった。
今年の都大会はまた例年と異なり来年の1月に行われる。こちらも無観客試合となってしまったが、勢いに乗って勝利、勝利と良い報告をお届けできればと思う。