表象文化研究部では、新入生の入部を歓迎しています。主な活動は、普段は都内美術館の企画展を見て回ること、また夏休みには京都や金沢、鎌倉、伊勢などで合宿をします。興味のある生徒は、事務所前の教務室(谷口)をお尋ねくださいね。
3月「エゴン・シーレ展」(東京都美術館)、4月「佐伯祐三展」(東京ステーションギャラリー)、そしてこの5月は高2(4名)、高3(1名)、大学の先輩、顧問2名で、SOMPO美術館の「ブルターニュの光と風展」に行ってきました。まずは生徒たちを惹きつけた絵画について紹介します。
●I君
僕のお気に入りはベル=イル沿岸の暴風雨です。この絵の魅力的なところは、深緑の海を臨む岬の絶景や岸壁に打ち付ける波など、激しい嵐の光景に魅入られることです。また、水しぶきなど一つ一つ丁寧に描かれていてとてもきれいな絵です。雲の絵や太陽の光の書き方もとても写実的で大変素晴らしい絵だと思います。
●K君
この画は草むらの隙間から様子を見る男とその足元で身を低くする男を描いています。密猟者が帰り道に密猟監視人の目を逃れようと身を潜めていることがわかる、とても緊張感のある様子が描かれていて、非常に興味深かったです。
●A君
僕はブルターニュの光と風でクロード・モネの「ルエルの眺め」に魅力を感じました。木は点描によって緑の深みが出ており、水面に映る木の影や森の全体も同じ部分がなくて生き生きとしているのを感じられました。釣りをして魚を待ち構える人の様子はルエルのゆったりとした時間の流れを見ている人に感じさせます。この絵はまさに人と自然の共生であり、クロード・モネが魅力を感じた風景ということが伝わってきました。
私が足をとめた一枚はこれです。マキシム・モーフラ「海岸の泥炭地における黄昏、クロテュデイ」。こういった絵と出会えることが実際に見に行く醍醐味だなと思います。有名、無名にかかわらず、迫ってくる絵と出会え、時を経て何かを受け取れるということ。
そろろそ京都合宿の準備です。