2024年7月19日(金)
三ノ輪橋-(都電荒川線・貸切)-早稲田-(都電荒川線)-飛鳥山…飛鳥山公園・保存車両・撮影・アスカルゴ…王子駅-(都電荒川線)-荒川車庫前・都電おもいで広場・外から撮影…荒川遊園・保存車両・見学…荒川遊園地前-(都電荒川線)-三ノ輪橋…三ノ輪橋おもいで館・買い物…三ノ輪二
今回の校外活動は、都電荒川線沿線を散策し、東武博物館を見学しました。朝、都電荒川線三ノ輪橋停留所に集合しました。三ノ輪橋停留所は、都電荒川線の始発・終着停留場です。関東の駅100選の一つです。2007年に昭和30年頃をイメージしたレトロ調のデザインに改修されました。5月中旬~6月上旬、10月中旬~11月上旬頃には、約140種、約13000本のバラが咲きます。三ノ輪橋停留所から早稲田停留所まで、都電荒川線に乗りました。
今日は、9000形を貸切ました。9000形電車は、2007年に営業運転を開始しました。2006年、東京都交通局は都電荒川線の活性化策の一つとして、また2001年に6000形6152号が廃車となって、イベント用車両がなくなり、都民からのイベント用車両の復活の要望が高かったので、その6000形以来の6年振りのイベント車両として、8500形以来となる新型車両を、2007年までに2億円の予算を投入し、レトロ車両として1両を導入することを決定しました。そこで、登場したのが9000形です。部員たちは、9000形からの車窓、荒川車庫、庚申塚の茶屋などを眺めながら、早稲田へ行きました。
早稲田で貸切車輌を降り、再び9000形に乗り、折り返し、飛鳥山停留所まで乗りました。飛鳥山公園歩道橋から明治通りを行き来する都電荒川線電車を撮影しました。凄い暑さだったので、早々に飛鳥山公園へ行き、都電や蒸気機関車が保存されている広場の木陰で昼食を食べました。飛鳥山公園は、約300年前に八代将軍徳川吉宗が江戸っ子たちの行楽の地とするため、桜の名所として整備された公園です。園内には紙の博物館、北区飛鳥山博物館、渋沢資料館の3つの博物館や渋沢庭園もあります。園内には、高さ7mを超えるお城の遊具があります。緑豊かな園内の散歩道は、アップダウンもあり運動になります。
飛鳥山公園には、都電6080が展示されています。1949年に製造された車両です。1978年まで荒川線を走っていました。部員たちは、飛鳥山の近くを行き来する東北新幹線を眺めながら昼食を食べました。
昼食の後、王子駅前、飛鳥山公園の入り口にある飛鳥山モノレール(あすかパークレール)に乗りました。飛鳥山モノレールは、JR王子駅中央口改札すぐの公園入り口から山頂までの高低差約18m、レール延長48mを2分で結んでいます。2009年から運行が始まり、高齢者など、誰もが飛鳥山公園へ行きやすくなりました。無料で乗車でき、冷暖房も完備され、車イス・ベビーカーにも対応しています。車両は、かたつむりに外観が似ているので、「アスカルゴ」という愛称がつけられています。王子駅から都電荒川線に乗り、荒川車庫前へ行きました。
車庫の外から荒川車庫にある車両を撮りました。荒川車庫の隣には、都電おもいで広場が併設されています。都電おもいで広場には、都電5500形(5501号車)と旧7500形(7504号車)が保存されています。
5500形は、1954年に製造された車両です。アメリカ合衆国の技術を導入してつくられた車両で、独特の流線型の車体と低騒音、高加速の高性能を持ち、PCCカーと呼ばれました。PCCカーとは、Presidents’ Conference Committee Streetcar、PCC Streetcarの略称です。1930年代にアメリカ合衆国で開発された路面電車車両です。北アメリカの路面電車事業体や鉄道車両メーカー、機械メーカーが参加した電気鉄道経営者協議委員会(Electric Railway Presidents’ Conference Committee)によって開発された高性能電車です。5500形は、三田車庫に配属され、1系統(品川駅前-上野駅前)で使用されました。
旧7500形は、1962年に製造された車両です。都電としては珍しい2つ目のライトです。当初は青山車庫、その後、路線の縮小に伴い荒川車庫に配属されました。引退前の数年間は主に朝ラッシュ時の通学輸送に活躍し、「学園号」の愛称で親しまれました。荒川車庫や都電おもいで広場の車両を撮影した後、あらかわ遊園へ行きました。あらかわ遊園には、都電6000形が保存されています。
6000形は、1947年から1952年にかけて290両が製造された、800形と並ぶ、戦後初の新造車両です。太平洋戦争末期の空襲により、都電の車両は当時の主力形式であった旧3000形を中心に、600両以上の車両を失いました。また、戦時中の資材不足により稼働ができなくなった車両や、被災を免れたものの、大戦末期から終戦直後の使用により老朽化した車両も多くありました。このため、戦後は主に経年の浅い戦災車両の更生復旧が進められましたが、並行して新車両の製造も行われました。
6000形の量産と同時期に、3000形242両と4000形117両が6000形とほぼ同形の車体により更新されました。この形態の車両が都電の標準車となり、1067mm軌間の都電杉並線を除くほとんどの路線に在籍しました。都電6000形は、前方を照らすライトが1個であることから「一球さん」の愛称で親しまれました。その最後の一台が50年間の現役を終え、2002年に荒川区に譲渡され、あらかわ遊園に設置されました。2022年のあらかわ遊園のリニューアルオープン後は、レトロな雰囲気で自家焙煎コーヒーを味わう「カフェ193」となりました。
あらかわ遊園の中にふれあいハウスという施設があります。ふれあいハウスの1階には、下町都電ミニ資料館があります。鉄道模型を趣味とする人の集まりである「のぞみ会(荒川区所在)」会長の故・伊藤信男さんが製作した都電模型や東京都交通局から提供された都電関連品が展示されています。鉄道模型運転場がリニューアルされ、ジオラマのなかを走るNゲージの運転ができます。あらかわ遊園を散策した後、三ノ輪橋停留所の前にある三ノ輪橋おもいで館で買い物をしました。三ノ輪橋おもいで館は、都電荒川線、都営交通の案内施設です。都営交通のご案内のほか、乗車券やグッズの販売も行っています。沿線をモチーフにした鉄道模型のジオラマや都営交通の貴重な資料を展示しています。部員たちは、都電グッズを買いました。都電おもいで館で買い物をした後、都営バスに乗り、東武博物館へ行きました。