春は別れと出会いが目まぐるしく訪れる。感慨深い思いの余韻に束の間浸り、心ときめく瞬間の到来に身のまわりが慌ただしくなる。それは春の温かさに比例して心地のいいモノでもある。それなのに今年は・・・・。これ程までに行動が制限され気持ちがどんよりしている春は誰も経験したことはないはず。見えない敵に戦々恐々とし、何時終息するとも分からぬ状況に気持ちは日毎に疲弊していく。
こんな時だからこそ!と逆境を乗り越え、チャンスに結びつけなければこの2ヶ月は無駄に浪費したことになってしまう。一生でこんなに自分と正対できる時間はもう訪れはしまい。是非とも有意義な時間の過ごし方をされたし。
そこで一冊の本を紹介しよう。『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)だ。主人公の本田潤一は、真面目で友達思いの中学生。学校での友人関係のもつれから学校を休む。そんなとき叔父さんが彼のために残したノートを読むと・・・。そこには人間のあり方や向き合い方、など「人がいかに生きるか」が書かれていた。このおじさんのノートを通して、色々な事を考えながら成長していく・・・。マンガ版もあるのでまずはこれを読んでみよう。もしかしたら〝今何をすべきか、しなければならないか〟〝自分に出来ることは何か〟のヒント?道標?が記されているかもしれない。舞台は1930年代の東京と少々昔の作品だが、難しい語りでもなく、なるほどと目から鱗がおちることも書いてある。百聞は一見にしかずだ。
この時期だから、この年代だからこそ頭と心にすっと入ってくるかもしれない。「人」「生き方」を考えられたし。
(参考)
映像 you tube 「歴史的名著『君たちはどう生きるか』〜2018年一番読まれた本を中田敦彦が解説〜
文庫本 「君たちはどう生きるか」岩波書店(1982年、岩波文庫)
漫画版 「君たちはどう生きるか」マガジンハウス(2017年)羽賀翔一