昨年、オンライン授業準備の最中、運動不足解消のために早朝ウォーキング&ランニング(主に下り坂)を始めました。距離にして6kmほど、時間にして約1時間半、姿勢と速度に気をつけながら黙々と歩いたり、時々走ったり。幸い自宅周辺は都立の緑地や山中の散歩コースも整備され、運動に適していることもあって、休日のトレーニングとして飽きることなく今日に至っています。続けるポイントは、行動のメルクマールを見つけること。私の場合、コースの途中、福祉施設前で行われているラジオ体操に間に合うように家を出ることです。全身の筋肉を動かし、汗だくで帰宅した時の爽快感と充実感は代えがたいものですが、早朝に家を出る時は、やはり足が重いのです。「今日は疲れているから」とか「今日は天気が悪いから」とか、やらない理由はいくらでも見つかります。その僅かなためらいを吹き飛ばし、「ラジオ体操に間に合うように」と弱い自分の背中を押してくれるもの、そんな味方を見つけることが続けるためには必要なのだと思います。
勉強も同じです。勉強はやってみると面白いものかもしれませんが、楽しいものではありません。しかし、勉強を始める時に、ほんの少しの工夫で楽にスタートすることができます。「決まったことを決まった時間にやる」こと。勉強に取りかかる時間を決め、何からスタートするかまでは、あらかじめ決めておく。そうすると、今日はこれからどんな勉強をしなければならないか、やらなければならない課題が見えてきます。勉強は、やり続けるもの。結果はすぐに出てくれませんから、どうすれば毎日やり続けられるだろうか、自分に合った工夫を試行錯誤しながら見つけ出すしかないのです。
話は、早朝ウォーキングに戻りますが、今年はひとつ気掛かりなことがありました。例年なら、コースの途中に広がる田んぼで田おこしが始まり、水路から水を引いてそろそろ田植えの準備が始まってもよい時期なのに、今年はどうもその気配がないのです。乾いた土に野鴨が降りたって、困った体でよたよたと歩いている。ひょっとして、減反政策の影響がとうとうここまで及んだのか、と余計な心配をしていたのですが、先週になって次々と田植えが行われてほっとしました。
それにしても、たっぷりと水を湛えた田んぼほど心落ち着くものはありません。夜は、のぼる月が田んぼの水面鏡にその姿を映し、蛙の大合唱を聞きながら眠りに就く。この季節ならではの豊かさに気づかされます。少々強引ですが、これも農家さんの決まったことを決まった時期に行った努力の「賜物」と言えるかもしれません。
田植えが終わって田んぼの1年が始まる。