私のクラスでは、次年度の選択科目を決定するにあたり三者面談を行っています。高校受験では、3教科なのか5教科なのかの違いはありましたが、国数英を勉強するということは全員が同じでした。しかし、大学受験となるとそうではありません。大学受験での入試科目の選択肢の多さに戸惑っている生徒も少なくありません。世界史にするのか日本史にするのか、化学なのか物理なのか、古典演習の授業を選択するか地歴演習の授業にしようかなどなど。
科目の選択などは、当然各自の進路にとって最善のものを選択するべきですが、「それ」を決定するためには、いよいよ進路について今まで以上に真剣に考える必要があるのです。将来の目標を設定する必要があるのです。
さて、話は少しずれますが、コロナ禍にあり開催の意義が問われた東京オリンピック・パラリンピックでしたが、私は今回の五輪で印象に残ったことが幾つかありました。そのうちの一つは、歴史的な快挙と周りが騒ぎ立てても、インタビューから受ける各選手の印象が共通していたことです。目標を定め必死に努力をしてきたことに対する自信と、過去に達成した人がいるとかいないとかそういうことにとらわれない真っすぐな姿勢です。そんなひたむきさはどこからくるのか。きっと、東京オリ・パラ大会が大きな目標ではあっても、その先にまた次の目標を既にイメージできているからこその真っすぐさであると受け止めました。そして、五輪での入賞とか何十年ぶりの日本記録とか、そんな偉大な結果も日々のひとつ一つの積み重ねがあってこそのものであることを各選手の生の言葉から感じ取ることができました。周囲が困難と思っている壁を自分自身では限界ととらえない二十歳前後の選手の活躍は、同世代のみなさんにも大きな刺激になったはずです(私個人的には国枝さんに勇気と感動をもらいました!)。
アスリートにとって五輪が一つの目標であるように、人生の目標は我々ひとり一人が自分に課すものであり、その価値はそれぞれにとって最高のものです。クラスの生徒達にも、目標の設定、そこから明確になる課題の自覚と実践、そして振り返り、この学びの基本であるサイクルを残りの学校生活でどんどん回していってほしいと期待します。自分が本気になりさえすれば、支援してくれる人たちが周りにたくさんいることにも気づくはずです。がんばれ日校健児。