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「下人の行方は、誰でも知っている?」松本先生(高2副担任・国語科)

投稿日2022/7/10

 去年まで高校一年生は「国語総合」という授業だったのですが、今年度からは「現代の国語」と「言語文化」の二つに分かれて授業をしています。

 僕が担当している「言語文化」は、古典と小説・詩・俳句・短歌などの分野を融合した教科です。

 一学期は、教科書の定番、芥川龍之介の「羅生門」を扱いました。今までと違い、小説「羅生門」のもととなっている「今昔物語集」などとの差異を比べることができ、非常に面白かったです。

 

「羅生門」には異なるラストシーンがあるのを知っているでしょうか。

 主に今の教科書や出版されている書籍では「下人の行方は、誰も知らない。」となっていますが、1915年の初出「帝国文学」では、「下人は、既に、雨を冒して、京都の町へ強盗を働きに急ぎつつあつた。(をはり)」とあります。芥川がこの部分の描写に苦心していたことがうかがえます。

 また「今昔物語集」には「此ノ事ハ其ノ盗人ノ人ニ語ケルヲ聞継テ此ク語リ伝ヘタルトヤ」とあり、噂のように多くの人が話を享受していることが示されています。

 

あなたはどのラストシーンが好きですか?

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