人類が数を使い始めたのは大昔ですが、長い間「0」という数は存在していませんでした。
しかし、今では我々はごく自然に「0」を使いこなしています。
ある数に0を足しても引いても変わらないのに、末尾に1つ付けるだけで10倍になり2つ付けたら100倍にもなる。
ところが、ある数に0をかけると今度は途端に0になってしまいますし、ある数を0で割ってみたらどうでしょう…
そんな不思議な数「0」ですが、数の中で最も単純とされる「1」と協力することで、複雑な計算やデータ処理を瞬時にこなしてくれるコンピュータを操るほどの最強のタッグに変身するのです。
さて、入学してきた生徒たちは、この「0」のような存在です。今はまだ中学校生活の右も左もわからない、言わば、足しても引いても大して変わらない状況です。しかし、これから徐々に学校生活に慣れ、仲間と協働し互いに支え合うことでその個々の能力は10倍にも100倍にもなることでしょう。
一方、担任の私といえば、生徒がダメなことをすれば叱りますし、頑張っている姿を見れば自分のことのように喜ぶという、極めて単純な「1」のような人物。
いま目の前にいる、輝かしい未来を切り開くであろう「0」たちを、単純で微力な「1」が最大限のサポートをしてタッグを組むことで、自己肯定感の強い、何事にも試行錯誤を繰り返して成功をつかみ取れる生徒に育てたいと思っています。
これから6年間でどれほどの変容を遂げるのか、楽しみでしかありません。