初めてのネクタイに苦戦し、慣れないローファー。
満員電車に揺られ、見えるのはスーツのジャケット。
中学受験を終えた僕は、これからの新しい生活に不安と期待が入り混じった、
今まで味わったことのない感情を胸に、日本学園に来た。
あれから15年。
今度は自分が「教員」となってこの学校に来た。
ネクタイを結ぶのも、固い革靴を履くのも当たり前。
電車で見える景色も周りの人の頭頂部になった。
色々なことを経験してきた。
色々なことにチャレンジしてきた。
たくさん怒られた。
たくさん失敗した。
教えてもらう立場から、教える立場になった。
今の自分が何を伝えられるか。
どんなことができるか。
環境や立場は変わったが、
「不安と期待」
そこの感情は変わらない。
変わらない景色のなか、また同じ場所で思い出を作りたい。