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「モジュール講習地理探究組 富士登山隊結成」高橋先生(高2学年主任・社会科)

投稿日2023/7/10

 昨年度から地理総合が1年生で始まり、今年度、高校2年生では選択科目で「地理探究」が始まりました。地理という学問では、「フィールドワーク」が欠かせません。私も大学在学時、恩師から「歩く、観る、考える」の大切さを教わりました。

 

 教科書や論文を読む、写真や地図を判読する、各種資料を分析する、ということももちろん大事です。最近だとVR技術で、あたかもそこにいるような仮想体験を得られたりもします。ですが、その土地が醸し出すにおい、音、雨や風、日照り、そこに漂う空気感、人々の生活、それらが一体となって「風土」が作られる。その風土を五感で感じる、そこにフィールドワークの深さ、そして楽しさがあるのです。それこそ地理探究の神髄であると。

 ですが、平時の授業時間ではどうしても校外に出てフィールドワークを行うことが難しいのが現状です。そこで、地理探究初年度の今年、モジュール講習でフィールドワークを実施することにしました。

 

 今年度上半期のテーマは、「富士山」。
目指すは山頂浅間神社奥宮、そして日本の頂点3776mの剣ヶ峰。

 

 日本最高峰にしてあの美しいフォルム、信仰の対象として古くから慕われ、日常ふと富士山が見えたりすると、多くの人が「あ、富士山!」となんだかうれしい気分になる、まさに「日本の象徴」といえるでょう。

 

 昨年度、高1の生徒たちは総合的な探究の時間で「1day創発」に取り組みました。自分自身の興味関心に基づいて各自が1日フィールドワークを企画、実施するというものです。その中に、神奈川県の大山に登った生徒がいましたが、彼らとの会話の中で「次は富士山に行きたい」という話が出ました。大山阿夫利神社主祭神は大山祇大神(おおやまづみのかみ)、その娘の木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)は富士山本宮浅間神社の主祭神。親子関係のこの2山を両方訪れる「両参り」を通じて、「信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されている富士山を肌で感じ取ろうということで、「モジュール講習地理探究組、富士登山隊」が結成されたのでした。

 富士山は探究テーマの宝庫です。信仰のほかにも、医学、自然、観光、スポーツ、防災、富士山とともに生きる地元の町、自衛隊の演習場・・・私も実は富士山には何度も(それこそ100回は超えているのでは)登っていますが、一度として「前と同じ富士山」を感じたことはありません。毎回新しい発見、興味に出会います。

 今回受講した9名の生徒は、今回の富士登山にあたってそれぞれがテーマを設定しています。「大山と富士山の両参り」の他に、「富士山の植生」、「高地環境で人体にどのような変化が出るか」などなど、期末試験を終えた今、彼らは事前レポート作成に入っています。

 果たして当日天候に恵まれるか、メンバーが皆高山病にやられずに登り切れるか、不安はつきませんが、彼らと登る富士山でどのような発見があるか、今から楽しみです。

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