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「夏の思い出」宮崎先生(高3副担任・国語科)

投稿日2023/8/13

 7月半ば、私事ですが、高校の同窓会に参加してきました。郡内に1校しかない県立高校ですから、進学先を迷うこともない。町内の4~5校の中学校から、みんな同じ高校に進学したのです。当時は1学年8クラスありましたが、今では4クラスに、来年度は2クラスに激減するとも言われています。母校の現状には、大学進学と同時に町を出て、地元に帰らなかった私を含む大勢の卒業生の忸怩たる思いが凝縮されています。

 

 そういう思いもあってか、私たちの学年は、地元在住世話人の努力のもと5年に1度必ず同窓会を開催してきました。前回は「還暦同窓会」、今年は「ロック・Rock同窓会」。お元気な恩師の参加もあり、99名が一堂に会し旧交を温めました。既に町内にはこれだけの人数をもてなす宴会場はなく、集会場を借りて食事や飲み物の手配から会場設営まで全て参加者で作る手作りの会でした。

 

 いつもクラスのリーダーとしてみんなをまとめてくれた気さくな人柄のI君。彼の顔を思い浮かべながら、返信はがきの出席欄に丸をつけた人は多いことでしょう。今回も同窓会の司会として働き、始終和やかな雰囲気にしてくれました。医者となり、地元に戻った同窓会会長のT君は、今や都会に出てしまった同級生の親世代の主治医として手腕を振るっています。そして人一倍地元愛の強いYさんは、食堂の経営をしながら、この同窓会の幹事としてだれよりも立ち働いてくれました。この年齢になると避けられない別れの知らせも届きます。前回まで元気に参加していた慶応ボーイのD君は、膵臓を患い、もうこの場に集まることはできません。同じ東京に住みながら、東京では一度も会うことがなかった優しい友人の一人でした。

 

 帰る度に変わっていく故郷の姿に戸惑いながらも、おりしも当日、地域の夏祭りで打ち上げられた花火の一瞬のきらめきの中に過ぎ去った高校時代を垣間見た思いでした。

 

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