高3の担任をしていると、この時期の話題はどうしても進路指導に偏りがちなので、全く別の話を…ということで、名前の由来の話です。
さやか、という名前は、古典好きな母がつけてくれた名前です。
「さやか」は漢字で「明か」または「清か」。辞書によれば、はっきりしているさま、明るいさま、音の高く澄んださま、を表すそうですが、両親のイメージは、冴えわたる月の光のようなものだったそうです。
小学生の時、「生い立ちの記」を書くという宿題がありまして、その時に自分の名前の由来を両親に尋ねたら教えてくれました。
当時の私は、ちょっと洒落た漢字の名前に憧れがありまして、名前の由来は何か、なぜ平仮名なのか、としつこく聞いた覚えがあります。
「しつこく」というところから何となく連想されると思いますが、私は昔から、気が強く、我も強く、しっかりはっきりきっぱり、というタイプでした。
名前の由来を尋ねた時は、確かお盆で父方の親戚一同が集まって食事をしている時で、
私「さやかってどういう意味でつけたの?」
父「昔の言葉で、明るくてはっきりしてるっていうような意味で、そういう子になってほしかったから…」
私「そういう子になったね!」
父「いやちょっと違うんだイメージしたのとは…」
私「明るくてはっきりしてるよ!」
父「そうじゃなくて、なんていうか、月の光みたいな…」
私「うん、だからはっきりくっきりしてるよ?」
父「そうだけどそうじゃないんだ…」
というやり取りに、親戚一同爆笑していたことを覚えています。
父としては、もう少し内に秘めた芯の強さみたいなものが、「さやか」に表れるようなイメージだったのでしょうね。
全く内に秘めるタイプではない娘に、父も手を焼いていたのだなあと今では思います。
教員をしていると、毎年、たくさんの名前を目にし、その名前で呼びかけることになります。
きっとそれぞれに込められた願いがあるのだろうなと思うと、どの名前も大切に扱いたいなと感じます。
まだまだ先の話とは思いつつ、いま担任している3年生が卒業するとき、彼らの名前を大切に、大切に呼べるように…まずは受験指導を頑張らねば。
という、結局受験生の夏から離れられないんだな、という話でした。