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職員室リレートーク

「新年度にあたって」水野重均校長先生

投稿日2024/4/8

 入学式を終えた新入生の皆さん、そして新学期を迎え、新たな学年で一年を歩み出す皆さん。皆さんは山登りをするでしょうか。どんな高い山に登るのにも「はじめの一歩」があります。今、みなさんは新しい学年の「はじめの一歩」を踏み出しました。

 人生はよく山登りに例えられます。皆さんは、今、どんな山を登ろうとしているのでしょうか。想像してみてください。

 1年生ならまだ登ったことのない初めての山を見て緊張の中にもどんな山だろうという楽しみ、新たな体験への夢も大きく膨らんでいることと思います。

 2年生なら先輩が登っていた山を歩く後ろ姿を見て、次の山はこんな山だからと自分なりに考え、自分ならこのルートから登ろうとか、先輩が苦労していた所から学び、どのようにして克服して行こうかと思いを巡らし心の準備をしていることでしょう。

 3年生なら、次の新たならステップに向けて目標を明確にし、今までの経験をもとに周到な準備をして登り始めたことでしょう。特に高校3年生は、次の進路という大きな頂への挑戦の年になります。

 山登りは一歩一歩、慎重に歩みを重ねて行けば、頂きに到達します。その途中、なんでこんな苦しいことをしているのだろうと思う時もあれば、木々の中を抜けてくる心地よい風を感じ、自然の中で生かされていることを実感する時も、雨の時もあれば、穏やかな陽射しの中を爽快に歩みを進めることもあります。こうやって一歩一歩の歩みを積み重ね、山の頂きに立った時は言葉では表現できない達成感があります。

 ここで、創立者の杉浦重剛先生が山に登ったことを謳った詩を紹介します。
 
 岳に登って天下を小とす
 自ら誇る意気の豪なるを
 其れ山上の山を奈んせん
 之を仰げば一層高し
 
「一生懸命に山の高みを目指して上り、やっと頂上に辿り着いて、今来た道を彼方遠くに見える麓を見ると、自分は一つのことをなし終えた。よくやったと自分を褒め讃えよう
しかし、それもつかぬ間、振り向いてみると、まだまだ高い山がある。事をなし終えたことに慢心せず、すでに自分の気持ちは次の山への挑戦の気持ちに変わっている」

この一年の学園生活の山登り、皆さんも学友と一緒に高みを目指し、楽しみ苦しみながら一歩一歩を大切にして登ってください。その歩みが皆さんの人生の大きな礎となります。

 

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