今年度夏期講習で作成したテキストの「はじめに」のページで以下の文を記した。
勉強は何のためにするのか?
もちろん目の前の大学受験(一般、総合かかわらず)のためというのは紛れもない事実である。だた、今やっている勉強やこれからする勉強をただ「大学受験のため」で終わらせていいのかはちょっと立ち止まって考えてほしい。
受験勉強を通して身につけた知識や考えなどはこれから社会で生きていくのに十分役立つものになるだろう。本来、知らなかったことを知ること、新しい考えに触れることは楽しいことなのである。この講座がそういった勉強本来の楽しさを感じることにほんの少しでも貢献できたならば幸いである。
また、この夏は勉強や課題等に取り組む中で自分自身の人生について考えることが多くなるだろう。自分の出来なさ加減に嫌になることもあるかもしれない。しかしそれは真剣に取り組み、自分自身の人生について向き合っているともいえる。
この夏はたくさん勉強し、たくさん考えてほしい。身につけられる知識、考え抜いた末に出てくる自分自身の考えに限界はなく、皆さんが思うほど小さいものでもない。
健闘を祈る。
経験上ではあるが、大学受験の勉強を通して身についた知識(英単語だけでなく)はその後長い間自分自身の中に残っている。(とはいえ最近は思い出したりするのも時間がかかったりすることがありしばしば絶望感におそわれることもあるが)
Ignorance is bliss.(無知は幸福である)とも言う。日常生活を送る中で覚えた単語がどれだけ役にたつのか?と感じることもあるかもしれない。有名な古典の一節を暗誦できたところで何の意味があるのか?と思うことがあるかもしれない。記した文章の中にあるように自分自身の出来なさ加減に嫌になることもあるだろう。
しかしながら、たとえそうであってもここは踏ん張って今やるべきことに取り組んでほしい。一つの単語、一つの歴史的出来事は覚える時点では「ただの単語」や「ただの出来事」かもしれない。だが、それらを積み上げていくうちに「ただの」ものではなくなっていくだろう。まだ半年あるのかもう半年しかないのかは人によって受け取り方は様々だろうが、「ただの」ものではない知識、考えをできるだけ自分のものにしてほしい。半年後、見えているものは今とは違ったものになっているだろう。