1学期末にクラスに配布したクラス通信を紹介します。「夢」と「志」についてクラスで考えました。まず、『君たちはどう生きるか』と題した、ソフトバンク社長の孫正義さんの就活生に向けて行われた6月のスピーチを一部抜粋して紹介します。
『みなさん、こんにちわ、孫です。今日は、人生の限られた日数のなかで、同じ部屋で同じ空気を吸って、約2時間の時を共有します。せっかく来ていただいたわけですから、私も精一杯、私が何を考えてきたのか、ソフトバンクが何を考えているのか、情報革命とは何なのか、伝えたいと思います。
まず、集まっていただいたみなさんは、新卒として自分の将来を決める社会の第一歩を踏み出そうとしています。今日は初めて中途採用の皆さんにも集まっていただいております。その皆さんにとって、人生の転機(てんき)、岐路(きろ)に立っているということになるのかもしれません。
私も学生の時、卒業をしたら自分がどういう人生を過ごすのか、ずいぶん悩みました。悩んで、悩んで、悩み抜いた挙げ句(あげく)に決めました。それがいまのソフトバンクであります。
「人生で一体何をなすのか」このことを考えることは、おそらく人生でいろんな質問があるなかで、自分自身にとって一番大切な質問ではないかと思います。例えば、ピアノを買いたい、家を建てたい、かっこいい車がほしい。いろいろな夢があると思います。
みなさん、夢という言葉と志という言葉、この似ている2つの言葉の定義の違いがわかる人は手を挙げて下さい。
5%ぐらいの人が手を挙げていますね。95%の人はなんとなくおぼろげながらに夢という言葉を聞き、志という言葉を聞いています。
ピアノを買いたい、家を買いたい、車を買いたい、これらは夢の1つとして言えます。
しかし、それらのことが「私の志だ」と表現をする人はあまりいないですよね?つまり、個人の欲望、個人の願望を満たすのが夢です。多くの人々の夢、多くの人々の願望、多くの人々が困っていることを助けてあげたい、こういったことを指すときは「志」と呼ぶんです。
私は自分の人生で何をなしたいかという場合、「志高く生きていきたい」と思うわけです。
つまり自分個人、1人のエゴを満たすような、そういう願望を満たすようなことではない。100万、1000万、億万の人々に、喜んでもらいたい。そういう風な人生を過ごすことができたらいいなと思います。座右(ざゆう)の銘(めい)を時々聞かれます。1つだけ挙げるとすれば「志高く」と答えます。』
このあと、孫正義のスピーチが続きます。それはまた後日紹介するとしよう。
今日は考えてほしいことは、進路選択という人生の岐路立っている君たち。そんな君達に考えて欲しいことは、「夢」と「志」。君たちの夢は何か?志は何か?
大学進学をすることが個人の「夢」だとする。大学4年間学んだことを、あなたが守りたい誰かに貢献できたら、それはきっと君たちの「志」になるのではないか。
私自身の高校時代を振り返ると、大学に進学し、教員免許とり教師になることが「夢」であった。では、私の志は?
それはきっと今ここにいる君たちが答えだと考える。
いまここに君たちに、何か少しでも手助けになっていることがあるのならば。君たちの支えになることができているのならば、きっとそれが私の「志」だと考える。