期末試験を終えた月曜日、先日「フレンチ出張講座」で習ったチキンの復習をしました。片山教授直筆の材料メモを貼り、3テーブルに3人ずつ配置、「さぁどうぞ!自由に始めてね」です。
いつも手順レシピを眺めながら作っていては頭に入りません。初回はレシピに忠実に、2度目からは、手と舌の記憶で再現。これはお料理上達の近道だと思うのです。
「これ先だっけ?」「ここで弱火だよな?」「どう考えても強火だろう!煮詰めるんだぜ」「それ切っといて」「余った、スープに使って」
賑やかに会話が飛び交い、誰の手も休むことなく動き続けます。
自分の欠けた記憶は、誰かが埋めてくれます。完璧な再現です。
そしてこの日は、いつもにこやかに料理部の活動を支えて下さる家庭科の梶井先生のお誕生日でした。
男子校で何十人(!)に一気に怪我なく(!)楽しく調理実習させなさる梶井先生。優しさと厳しさがさすが完璧なバランスで同居する方、急接近させて頂けた今年度、私も学ばせて頂くことがたくさんあった半年間でした。
チキンが完成した頃を見はからって、音楽の土居先生が素晴らしい声でハッピーバースデー☆
教員室の片隅で中川くんがこっそりデコレーションしたケーキを持って登場☆
その合図でポケットに隠していたクラッカーをみんなで鳴らして☆
「全然気づかなかった…こんなの初めてです…皆さんありがとう…!」感激して下さる梶井先生に、部員たちの顔にも照れた笑みがこぼれます。
野菜くずひとつ残さぬよう、水一滴残さぬよう家庭科室を復元したあと、最後はいつも皆で輪になって梶井先生にお礼の挨拶をしてきました。
どんなことも、どんな方の存在も、そこにある環境も、当たり前ではないことを知り、自分から「ありがとう」を発信する人であってほしい、といつも思います。
のびのび勉強やクラブができることは恵まれているということ、誰かに支えられている証、そしてそんな一日を終え、帰宅したみんなに夕食を温めて下さるおうちの方の存在、は、その最たるものです。
春はよくそんなことを言っていましたが、彼らは自然とたくさんの感謝を口にするようになり、私が肘をつつくことはいつの間にかなくなりました。
ビッグ・ママを囲んで、チルドレンたちの笑顔も大輪の花。
外は身を切る寒さ、チキンとキッシュとケーキでMaryXmas。家庭科室では今日もあたたかな時間が流れるのでした。
今回は初めて中学生が体験入部に。一緒にお料理をして、皆でテーブルを囲んで、仲良くなれないわけがありません。ぜひ一度、体験に来てみて下さいね。
こちらは「辻料理学校」のオープンキャンパスに参加してきた岡田部長と平尾くんの作品、ブッシュ・ド・ノエルです。