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バスケットボール部

つれづれなるままに~「Tokyo Thanks Match」完~

投稿日2020/11/19

 いつもの見慣れた光景が今日はやけに寂しく映る。
「‥‥お-わ-り-ま――――――」。最後の「す」という一文字を口にした途端に全てが終わってしまう……。3年生のいる最後のサークルとキャプテンの締めの挨拶。魔法が解けるわけでも夢が覚めるわけでもない。それなのに、それだから…。
 私はその日の朝を不思議な感覚で迎えた。勝敗関係なく今日が引退の日。負けたら引退!っていうことはあっても「今日(明日)で引退だよね」っていうこの気持ちを皆、どのように整理したろう。
 祭りの後の感覚を久しぶりに味わった。濃密な時間が長ければ長いほど終わった後に襲ってくる虚脱感や寂しさ、静けさは堪えられない。3年生にはどんな祭りだったろうか。重圧、不安、焦燥、諦念、葛藤…。決して楽しさとは縁の薄い世界で常に見えないものとしのぎを削ってきたことと察する。それは時に仲間、時に自分と。紆余曲折を経て培われたものは彼らにしかわからない。
 部訓に掲げられた「心技一体」。彼らはこの言葉をしっかり咀嚼して糧にできただろうか。もしかしたら大人になって過去を振り返ったときに、すとんと腑に落ちるのかもしれない。
 去りし春、コロナ禍から休校を余儀なくされ、公式戦が流れた。心に生じた隙間を埋めるべく監督の発案で趣向を凝らした試みがなされた。会えぬとも繋がりを途絶えさすことなく部活は続けられた。
 休校明けの6月から制限あるも部活動再開。日常には程遠かったけれど、バスケができる環境が戻ってきた。目標なきモチベーション維持は難しいが、程なく公式戦が企画され目標が持てた。「Winter Cup出場」という目標を画餅で終わらせぬよう気魄の籠った練習に発展していく。
 9/13から都内各所で始まった「Tokyo Thanks Match」。小さな山から出発し、Best16争いの保善戦。4Q残り5.5で決勝点。あの興奮は今も冷めやらぬ。続く8争いの早実戦。FTの大切さを痛感した、心臓に悪い40分間の死闘。
 1ヵ月空き、4強賭する成立戦、順位決めの東大和南、八王子。結果は如何に。選手達の頭では分かっていても感情がついて行かない、そのもどかしさがひしひしと伝わってくる。。 
 この既視感は始めてではない気がする。そう、『SLAM DUNK』(井上雄彦著)だ。インターハイ出場を遂げた湘北は2回戦に覇者山王工業と対戦。激戦をものにしながら、3回戦ではボロ負けを喫する。山王戦ですべてを出し切った選手たちにもう余力が残っていなかったからだろう。
 にちがく勢をそれと重ねることは不謹慎のそしりでも、頭を離れない。
 もうやりきった、Winter Cup出場は叶わなかったけれどBest8という素晴らしき結果を残した。もうそれで充分だったんだろう。・・・お疲れ、・・・お疲れ様、・・・お疲れ様でした、ゆっくりやすめ。大事なのは後悔しないこと、後悔しないためにやりきること。何をやろうとしたのか、ではなく何をやったのか、だから。
 「終わりま―――――――――――――――――――――――――――――――――す。」
純粋で、直向きで、真っ直ぐで、やんちゃで、無邪気で、単純で、涙脆い彼らの時代はしめやかに、でも笑顔とともに句点(ピリオド)がそっと打たれた。
 さぁ後輩達よ、精神的に向上心の高い者立ちよ。先輩達に追いつけ追い越せ。君たちの時代がはじまった。
 
 にちがく勢をいつもいつまでも応援し、愛してくださる保護者の皆様を始め、級友、教員、バスケット関係者の皆さん、本当に有り難うございました。この場をお借りし、御礼申し上げます。

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