「秋から冬に成る頃の小春日和は、斯の地方での最も忘れがたい、最も心地の好い時の一つである」(島崎藤村『千曲川のスケッチ』)
天高く馬肥ゆる秋。穏やかな天気とは裏腹にもの凄い熱気と緊張感に包まれた会場。そして溢れる観客。東京都1位、全国大会出場!の目的を果たすために臨んだWinter Cup予選2.3戦目。手に汗握る40分間の攻防の行方は果たして・・・。
國學院久我山戦は点数だけを見れば惜しかったね、だと思う。だって2点差だもん。でも内容はと問われると、・・・、でしかない。「私の敵は私」でした。背負ったものの大きさ、乗り越えなければならない壁、そして新人・関東・インターハイで敗れたという負の感情も加えた末の結果だと思われる。
久我山に負けたのではなく自分に勝てなかった、それだけ。もう戦うことはないのだろうか、否、Winterで当たる可能性もある。そのときは・・・。
気持ち切り替え迎えた八王子戦。インターハイ予選では50点近くの差をつけられ敗退。勝てる?久我山に敗れ、八王子に敗れても専修に勝てば・・・、と弱気な気持ちもちらほら?いやいや、負けていい試合なんてないでしょ、勝つ気がないのなら棄権したら?相手に失礼だし、と檄を飛ばされてやる気スイッチチェンジ!相手がどこであれ何であれにちがくは「にちがくバスケ」を貫くのみ!東京1位の目的は果たせずとも全国の思いは潰えたわけじゃないでしょ!?。
予定の時間を少し押してトスアップ。序盤から鉄壁のデフェンスで自陣を守り、敵陣に攻めこむ。泥臭くそれでいて蝶のように舞う。留学生を♯21と♯6が封じ込める。完全に主導権を握り、前半を3点差で終える。♯8の3Pも炸裂。泥臭くルーズボールに突っ込む。
会場の誰もが予想だにしなかった光景。そばで観覧する他校の生徒達はもう興奮気味。観客、応援団の熱い声援。
緊張の後半戦。3点差、追う展開ながら食らいつく。
でも点が縮まらない。入れても入れられる。東京・関東の覇者の底地から恐るべし。長い40分が終わった。惜敗。あの八王子相手に互角の戦いするも一歩及ばず。
11/10(日)は決勝リーグ最終戦。専修大付属高校と残るWinter Cup出場権1席を賭けての一戦。お互いに背水の陣、崖っぷち。気持ちを切り換えて臨もう。そして必ずや歓喜の雄叫びをあげようではないか。
余談 緊張の連続であるがその一方で一抹の寂しさが拭えない。一戦終えるごとに彼等の高校バスケに終わりが近づいてくる。どれだけ長くやっても12/29まで。あと1ヶ月ちょっと。もっと彼らのプレーを見ていたい。でも・・・。こんなセンチメンタリズムな気持ちになるのは季節のせいかしらん? 歳のせいかしらん? 熱き血潮たぎる彼等にそんな気持ちは無用かしらん? 天高くにちがく燃ゆる決勝リーグ、最終戦に向けていざ。
SoftBank ウインターカップ2024予選 – 東京都 – – バスケットLIVE