2019年3月9日の卒業式をもって、3年間の高校生活をともにした生徒たちが巣立っていきました。中学校からの持ち上がりで担任をしており6年間のお付き合いをした生徒もいます。この学校での初担任の学年ということもあり、全てのことが印象深かったです。
この3年間は様々な出来事がありました。その中でも友との別れは本当に辛いことでした。人ひとりの存在、影響力の大きさは計り知れないことが実感された出来事でした。そして、その後の友人同士の支え合いによって人間的に大きく成長をしていく様子を目の当たりにすることで人の繋がり、絆の力の強さも改めて感じました。彼の存在は私を含め、関わった全ての人の心の中にいつまでも生き続けています。
私はあれこれと注意する「面倒くさい」教員のひとりだったとは思いますが、こんな思いを持っていたからです。それは、社会に出てから「頼られる人」になってほしいという思いです。私が考えている頼れる人というのは、目立つ人ではなく、地味なことではあるが重要なことをきちんと全うできる人です。ですから、遅刻や提出物、授業態度などこまごましたことに口うるさくなってしまったわけです。
人はそこにいるだけで「個性」を発揮してしまうものです。それを良い方向に出していくために必要なことは「人への思いやり」だと思います。人の思いを汲み取ってその上で自分を出していくことで「この人がいないくては」という頼られる人になっていくのだと思います。
これから広い世界で活躍していく卒業生のみなさん、どんなステージでも「なくてはならぬ人」になってください。そのための力を十分に高校生活、長い人は中学生活から蓄えてきたはずです。その自然に発揮される「個性」をもとに大きく飛躍してくれることをここから祈っています。