高校3年生は今、進路目標の実現に向けて受験勉強一色の生活を送っています。夏休み中には5日間、学校で朝から晩まで勉強するという、マラソン勉強会もあります。クラブに入っている生徒たちは、最後の大会に向けて練習の日々を送っていますが、やはり受験の準備に余念がありません。
受験生である3年生にとって、昨年の沖縄修学旅行は遠い過去になってしまったかとも思っていたのですが、先日、ある教育情報雑誌から私と生徒たち8名が修学旅行の取材を受けました。生徒たちはインタビューに答えて、沖縄戦の戦跡や、民泊での体験を中心に、自身の感想や意見を率直に語っていました。取材に来た人も、「沖縄の思い出が、とりわけ戦争の跡と民泊体験が、生徒たちの心に突き刺さっていることが分かりました」と感銘を受けたようです。そのときの生徒の発言を記事や私のメモに基づいて、いくつか紹介しましょう。
「ガマ(沖縄戦で使われた壕)に入った時、12月なのにとても暑かったのですが、戦争中、人々はその中に何日間も入っていたということを聞きました。本当に大変だったんだと、印象に残りました」
「民泊先で作っていただいたソーキそばがとても印象に残っています。現地での畑仕事も含めた生活そのものが楽しかったです。最初はなんで民泊する必要があるのだろうと思っていましたが、最後は『もっとここにいたい』と感じるほど充実したものになりました。」
「沖縄戦の悲惨さを知ることができた。自分がその場にいたら、どう思っていたか、どう行動したのかを考えざるをえなかった。平和祈念資料館では戦争中の人々の生活を知り、苦しいだけではない、日常の当たり前の生活もあったことが分かった。」
「自分の行った民泊先はシークワーサー畑があり、周りはシダ植物があるような原生林がいっぱい。お母さんに三線を教えてもらったり、現在の沖縄を体感できたりと、いい経験になりました」
「基地の問題などで沖縄県の人がデモ活動をしている映像をテレビで目にしていたのですが、民泊先の方が米軍の保養所で飲食店を営んでいて、沖縄の人とアメリカ人は常にギクシャクしているわけではないことが印象に残りました。」
私はそばで生徒たちの話に耳をかたむけていて、旅を通して彼らが、過去の戦争と今の沖縄の現実、両方に触れることができたのだと改めて知りました。インタビューに対して物怖じせず、自身の言葉で率直に語る生徒たちの姿を見て、彼らの成長を頼もしく思いました。沖縄での体験を、いつまでも忘れないでいてほしいです。
※そのときの沖縄修学旅行での写真です。