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「体験から経験へ」 水野重均校長先生

投稿日2019/9/2

 この夏休みは、夏期講習やマラソン勉強会、部活の試合や合宿、また中学行事では、3年生は東京英語村で語学研修、中学1年・2年は校外学習で海や畑にといろいろな体験をしてきました。

 ところで「体験」と似た言葉で「経験」がありますが、「体験」と「経験」の違い意識したことがあるでしょうか。
 簡単に言えば、「体験」は起こった出来事や事実のことで、「経験」は、出来事や事実を解釈した結果であったり、疑問をもって再度見つめ直したりすることで得られるものです。

 例えば「夏期講習を受けた」とか「校外学習に行ってきた」ということは「体験」で、「夏期講習でこんなことを学んで疑問が解け、それを応用できるようになった」とか、「校外学習で今まで知らなかったことや漠然と見ていたことが、その裏にある事象までわかるようになった」ということが「経験」になります。また「マラソン勉強会で10時間以上集中して勉強できるようになった」というのも、こんなことは出来ないということが努力すればできるという気づきになったので「経験」と言えます。
 もっと簡単に言うと校外学習に行って「ただいまぁ!」と家に帰った時、家の人から「どうだったの?」と聞かれた時に「別にぃ……」で終わってしまうのは「体験」に過ぎません。これが「○○が楽しかったよ。○○の作業が、こんなに大変だったとは知らなかったし、働いている人は、細かなところまで気を使って工夫していることもわかった」となると、「経験」に変わってきます。さらに「なぜ?」とか「どうして?」という新たな疑問が湧き、それについて考えを深めてゆけば立派な「経験」と言えるでしょう。

 このような「経験」を何度も繰り返すことで、経験が積み重なり、自分の気づかないところで体に染みつき、やがて自信につながります。学校は「体験」をさせてあげることはできますが、「経験」は自分で作り上げなければなりません。体験は積み重なりませんが経験は積み重なります。「ブレない自分を作る」のは、「体験」で終わるのではなく「経験」に変えることです。この夏休みに体験したことをしっかりと経験に昇華させ、「ブレない自分」を少しずつ作ってください。

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