1年に3度は生徒に聞かれる質問があります。
『なんでこんなことを学ばなくてはいけないんですか?』
そう言いたい気持ちはよくわかります。自分も学生の頃そういうふうに思ったことが当然ありますから。
そんなとき決まって返す言葉がありますが、今回は先日、高校1年対象に行われた明治大学の宮下教授の出張講義の内容を踏まえたいと思います。
宮下教授は3DプリンターやVRなど、生徒たちにとって身近になってきた技術を切り口に、『当たり前が当たり前でない世界』を語ってくださいました。
僭越ながら抜粋しつつ要約すると、
【新しい技術はどんどん開発されている。
ただ技術を使うためには知識と視点が必要となる。
『当たり前が当たり前でない』視点を持って、改めて世界を見てみよう。
技術の先にある可能性を見て取れたら、その実現に足りないものを見出そう。
さぁ、研究だ。】
といったとてもとてもとても面白い内容でした。
ただその際、宮下教授はあまり強調されませんでしたが、自分が改めて感じた部分は知識の大切さです。さらりと言われていましたが、【ポテトチップスの形を見てz=x-yの関数になっている】が納得できる人も少ないのではないでしょうか。
理解できるかどうかは置いておいて、これもおそらく上のプロセスの1つです。形を数式に置き換えられることを知らなければ、プログラムにて数式で代用することができません。
さて、ではいつも自分が生徒に返している結論になります。
ただ関数を知識として知っていても、形を関数としてみる視点がなければ、今回関数の知識は日の目を見ることは無かったはずです。
知識は使う側に依存します。使う時が来るかもしれないし、学んだことは意味がなかったという結果になるかもしれない。どんな知識もその意義を決めるのは、学んだ本人次第だと思います。
ただ自分としては、多くの知識を操る大人になってくれることを君たちに期待しています。
※写真は、出張講義をしてくださっている明治大学総合数理学部宮下芳明教授です。