朝5時に起きて朝の支度をすませ、駅に向かうとき、しらじらと前方の空が明けてきます。
毎冬、この朝のわずかな時間が私にとってとても大事です。夜が明けて徐々に光が差してくる空を見ていると、人生における「励ましの言葉」が聞こえてくるように思うからです。そして決まって私が想像するのは、いつもよりも少し早く起きて受験会場に向かう受験生(そして見送られる保護者の方々)の姿です。
なぜか昔から日本では受験は一番寒さの厳しい冬に行われます。受験生にとっては心身共に追い込まれる過酷な季節だと思います。しかしこういった厳しい季節にも、夜明けは来て、光が差してくる曙、薄明を見ることはできます。また、真冬によく咲くものだなと感心しますが、梅が小さな花をいくつもつけます。
日本学園の玄関には紅白梅が毎年、受験生を出迎え、咲き始める準備をしています。杉浦重剛先生の銅像を仰ぎ見ながら、その脇にこの紅白梅の木はありますが、これまで自分なりに準備してきたことを信じて、受験に臨むのだよと受験生に「励ましの言葉」を語りかけているように思います。