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「個性」 藤野先生(高1担任・理科)

投稿日2020/11/6

 10/31、高1学年にて職業講話が行われました。現在実際に働いている方からそれぞれが興味を持った仕事の話を伺い、各々が将来について考えることができました。ご登壇頂いた方々、お忙しい中本当にありがとうございました。

 さてその中で、『個性』が大事という話があげられていました。この『個性』とは何でしょうか。Wikiを見ると『個人や個体の持つ、それ特有の性質・特徴。』と載っていますが、今回のように仕事に関する場合だと少し異なると思っています。

 事前学習で視聴した【しごとーく】でもありましたが、仕事における『個性』とは『その人だからこそできること』だと思っています。もちろん広く世界を見渡せば、一人しかできないことなんてきっと無いのかもしれません。ですが『これ』と『あれ』と『それ』と…みたいな組み合わせで考えていけば、100人に1人しかできないことを5つ重ねられれば100億人に1人の逸材です。世界人口が78億人に満たないくらいですので、実質世界に一人の逸材ともいえるでしょう。100人に1人しかできないことは難しい場合でも、10人に1人しかできないことを10個重ねられれば問題ありません。

 どうです? できる気がしてきませんか?

 ただもちろん事はそんなに単純ではありません。これは所謂数字のマジックです。なぜなら世界に1人だけの逸材でも、組み合わせた『その人だからできること』がそもそも必要とされていなければ効果が薄いからです。

 A:『数学の円周率を10000の桁まで覚えている人』は1000万人に1人かもしれませんが、それを必要としている仕事と言われるとあるとは思いますが残念ながら自分には思いつきません。
 一方でB:『偏差値が60以上の大学に入る人』は大学進学者の上位16%くらい。つまるところ日本では100人に12人くらいの割合のものですが、必要としている、評価している仕事、会社はとても多いように思います。
 つまり、希少性以外に、汎用性という観点もあり、全ての『できること』が、常に評価してもらえるわけではありません。

 ただ安定を取って汎用性ばかりを追えば、希少性の担保は難しくなります。抱いていた夢も薄れてきて、いつしか『自分だけができること』を大事に思っていたことも忘れてしまいます。

 学生の時以上に、社会人に取って時間は貴重です。それでも職業講話の為に時間を割いてくださったのは、君たちの持つ可能性を大事に考えてくださったからだと思います。

 大学受験のような人生1度限りの、決して疎かにできないこともあります。その時、それに頭がいっぱいになってしまうのは仕方がありません。

 ただその後も、大学に入ってからも、卒業してからも、人生は続いていきます。
ぜひ今回の『個性』が大事という話を忘れずに今を頑張り、また思い出してください。

 いつもいつまでも『自分だからできること』は増やしていけます。新しい技術は今もどんどん増えています。どうか挑戦を忘れない人生を過ごしてください。

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