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「教員も『創発』」水野先生(高1担任・社会科)

投稿日2021/1/22

 日本学園の高1学年では、ほとんど毎週の水曜日に創発学という学習を行っています。

 毎週何かしらのテーマに沿って、動画を視聴して各自の意見やアイデアを発表する学習です。これからの時代、「ただ学ぶ」のではなく、学んで意見を持ちそれを発表する力が一層必要になってくると思います。また学んだテーマについて、何かしらの問題意識を持ってくれたらと思います。

 ある週に、「若者の投票率を上げるには」というテーマで創発学の授業が行われました。

 その授業後の教員室での会話のなかで、ある先生が「若者には2票与えたら、投票率あがるかな?」とおっしゃいました。私は咄嗟に「それは平等選挙の原則に反します」と、いいました。本当に咄嗟の反射的な返答でした。しかしその後、「言われてみれば、本当の意味での平等って何だろう?」という疑問が私の頭の中に沸き上がりました。

 例えば、人口の多い都道府県と人口の少ない県の間では一票の格差が問題になっています。それを解消するため、人口の多い参議院の東京選挙区は12名が当選し、人口の少ない島根・鳥取は2県で2人当選という形になっています。しかし都市部と農村部では政治に求めるものも異なるでしょう。人口に比例すると、都市部選出の議員の方が多いので農村部の意見がないがしろにされるリスクもあるのでは。これは本当の意味で平等なんだろうかという問題意識が沸き上がってきました。(区割りには関係ないですが、世代別の人口差も多少あります。)

 もっとも日本国憲法は「個人の尊重」を人権保障の基本原理としているので、現状の一人一票の原則や一票の格差を是正するための区割りの工夫を否定するわけではありません。しかし、前段落のような問題意識を持つことによって、生徒も教師も一層深く学ぶことが出来るのではと考えています。問題意識を持ち深く学ぶ。これが日学の創発学の目的なのです。

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