私がかつて、まだ新米教師としてこの学園に勤めはじめたころ、都内の某私立中高一貫校に、部活動の遠征試合に伺った。 その学校までの通学路で、すれ違うたびに爽やかに「こんにちは」と、挨拶をしてくれる生徒さんたちの様子に驚いたものである。 その驚きは、学内に足を踏み入れても同じで、出会うたびに、真っ直ぐに此方を向いて、笑顔で挨拶をしてくれた。 汗ばむ初夏の頃、心の中には爽やかな風がそよぎ、爽快な気分となったのを、いまでも覚えている。 顧問の先生にその感想を伝えると「うちの校長は『挨拶は、挨拶をする相手に、自分の心を開いてお見せする行為でもある』と言って生徒の挨拶を待つのではなく、自らが率先して生徒に挨拶をしてるんですよ」と教えてくれた。
なるほど、と当時の私は膝を叩き納得したものだ。 私事で恐縮だが、その時の感動は、私が生活指導部長となり一番初めに取り組んだ、本学園の「朝夕の挨拶運動」に繋がった。 生徒からの挨拶を待つのではなく、自らの心を開いて見せていく 「おはよう、今日は暑いな」「さようなら、気を付けて帰れよ」「はい、こんにちは、良い顔してるな、充実してるんだな」「どうした、元気がないな、何かあったのか」 そんな日常の、他愛もない挨拶と声かけは、実は、生徒一人ひとりとの心理的安全性に繋がっていて、その後、何人もの生徒から、イジメの相談や人間関係のつまずきなどの相談をうけ、ことが大きくなる前に解決できた事は、大きな喜びである。 挨拶は、心を開くこと。まずはこちらが相手に自身の心を見せること。
英語のオープンマインドとは、自分のありのままの姿や考えを開け広げ、他人や他の物事に対しても興味を示し、積極的に受け入れるということ。
日本学園の生徒諸君! 心を磨き、心を開いて、爽やかな挨拶の出来る人間に、共に成長してゆこう。