最近、You Tubeの「ゆる言語学ラジオ」というチャンネルがお気に入りで、時間があるときにちょっとずつ聴いています。様々なテーマの言語学の話をかみ砕いてわかりやすく話してくれていて、とても面白いのですよ。2人の軽快なノリと、嫌みにならない知的さがチラチラ見えてエンターテインメント的に見られるチャンネルです。助数詞(どんな種類のものの値かを示す接尾辞)の回の内容を、授業で活用してみたので、その紹介をしてみます。
英語の授業で、「英語は1つと2つ以上にうるさいよね。数えられる名詞と数えられない名詞ってあるよね。」と復習しているのですが、初めましての顔をして話を聴いている生徒も毎回います。「じゃあ、日本語はそんなに数に鈍感なのかな。日本語は単数複数ではなくて数える単位にうるさいのだよ。」といってみます。まだ?が頭の上に浮かんでいる生徒もいるので、「例えば、本1を持ってきた。とか、腹減ったからパン2を食べた。なんて言ったら、不自然すぎるね。」というと少し合点がいくようです。
では、ここで問題です。以下の単語を数える時の数え方を答えてください。
①タンス
②神様
③琴、プール、碁盤
④弓、太鼓、和傘
解答)
①棹(さお) 昔は棹でタンスを運んでいたから
②柱 1人ではないのですよ。
③面 ④張
③では表面、④では張る作業が共通項となり単位となっているのですね。
問題!
⑤3人と3名、3者の数え方の違いは? ⑥1人と1体の違いは? ⑦魚1匹と1尾は?
解答)
⑤3人は、人を数える時に用いますね。
3名は、一人ひとりの名前がわかっていて、丁寧に応対しますよ。といった意味。
3者では、それぞれの立場や役割が異なる場合に使われます。3者面談などですね。
⑥1体となると、お亡くなりになった遺体を数える際。⑦でも1匹では生きてる魚、1尾では、お店に並んでいる魚ですよね。
助数詞を用いて、相手への思いやりや尊敬、役割の異なりを表していたり、生き死にも表現しているのですね。
問題!
⑧1軒と1戸の数え方の違いは?
解答)
⑧1軒は建物を数える場合、1戸では家とそこに住む家族を指します。「台風で、2万戸が停電となった。」といった場合は、人に焦点を当ててますよね。
助数詞で表す範囲が変わる例ですね。
問題!
⑨第3回大会と3度目はどう使い分けている?
解答)
⑨回は、その後も続いて欲しいという期待があり、度はその逆ですね。「仏の顔も3度まで」とは、もうこれ以上続いて欲しくないという意識が込められているのですね。
この2つの表現に無意識の意識が込められているのですね。
問題!
⑩1軒、1邸で受ける印象の違いは? ⑪メロン1個、1玉では?
解答)
邸、玉ではどちらも同じものを指していても、高級な印象を持ちませんか。1DK1邸では、違和感ありますよね。
助数詞で期待や高級感を表せるのですね。
日本語では意識してない中で、このような認知が日々おこなわれていることに驚きました。今回のリレートークは、「ゆる言語学ラジオ」の該当回を紹介してみました。みなさんも今回の件で、言語に興味を少しでも持ったらYou Tubeをご覧ください!
一応英語の教師なので、少し英語のお話を。
英語で、助数詞がないかというとそれにあたるものがあります。
a school of fish
a flock of sheep
a tower of giraffes
a pack of wolves
a murder of crows など群れを表すもの
a piece of paper など不可算名詞を数えられるようにするものなどですね。高校時代に覚えた記憶はありますね。