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「そして、バトンは渡されていく」恩田副校長

投稿日2023/3/7

 春からの朝の連続テレビ小説で植物学者の牧野富太郎博士をモデルとした「らんまん」というドラマが放映され、俳優の神木隆之介が主人公・槙野万太郎を演じる。牧野富太郎がモデルとなるので、もしかしたら同じ植物学者で同じ時期に活躍し、日本学園で教員をした寺崎留吉先生が取りあげられるのではないかと秘かに期待している。

 日本学園で植物学者と言えば寺崎留吉先生で、日本学園の教員を行いながら「日本植物図譜」および「続日本植物図譜」を相次いで刊行している。昭和初期には、樺太、千島(色丹・国後・択捉島など)などに渡り植物の採集をおこなっている。
 日本学園には寺崎先生が残した岩石標本・植物標本・博物標本などの資料が多く残されており、今は、地理的に採集できない植物標本や岩石標本・博物標本などが脈々と日本学園の生徒たちに受け渡されている。新校舎完成以後には、標本室も整備され生徒たちの目にも触れることになる。

 今度の中学1年生に約30年前の卒業生の子どもが入学してくる。今から6年前くらいから卒業生の子どもが日本学園に入学してくるようになった。今、2名の卒業生の子どもが在籍し、4月から1名増え3名になる。子どもに自分の母校である日本学園を受験させるには、学校探しの中で日本学園の教育に触れて感銘を受けたこともあるが自分が卒業した学校の歴史や教育および先生方との触れ合いの良さを子どもに受けさせたいと思い入学させている。親になったときに、子どもを母校で学ばせたいと思うには、自分を育ててくれた先生方の想いや指導で豊かで満足した学生生活を送れたからではないかと思う。それと、コロナ禍でのオンライン授業などで私学の教育が見直されたこともある。また、ICTを使いながら教科教育や総合教育に生かしていくのは、私学が一歩進んでいるし、日本学園も十分に対応できていることが認められたからだと思う。

 新しい学習として国際教育・探究(創発)教育・理数教育が社会的に求められている。今後、入学してくる生徒に日本学園の伝統の良さを伝えながら、今まで行っている教育を進化させ発展させることが必要になってくる。卒業生が子どもを母校に入れたいと思うようになれる学校を作り、今の日本学園の伝統の良さがバトンのように子どもや孫に継承されたらと願っている。

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