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職員室リレートーク

「高体連研究部の一員として報告」堀越先生(高2副担任・英語科・トライアスロン部)

投稿日2025/1/28

 運動部活動には高体連があり、それぞれの競技の専門部に分かれています。顧問の先生方は部活を運営するだけではなく、大会運営のほかにも、専門部で何らかの役割分担がなされます。それも毎日の部活動を運営するとともに対処していくことは労力もかかり大変なことです。顧問の先生方は本当に様々な苦労されていると実感でわかります。ご苦労様です。

 トライアスロンは高体連がないので、ロード競技で関東大会やインターハイを目指すため自転車競技専門部に所属しています。そこでの私の役割は研究部員です。

 全ての専門部から1名以上の研究部員が集まり、東京都研究部という組織を構成しています。そこでは、他の専門部の情報が知れたり、第1分科会「競技力の向上」、第2分科会「健康と安全」、第3分科会「部活動の活性化」の研究を聞いて自己研鑽できたり、その研究を助ける一員になることができます。ですが、実態は先生方はとても忙しく、研究をやろうという方は稀です。よって最近は輪番制を取り入れました。これから携わる先生も出てくるでしょう。

 私も研究なんてできるとも思っていなかったのですが、誰もやらないときには「まさかの時に役立つ人になる」ためにも、この数年で衝撃的な影響を与えたコロナ禍を題材にアンケート調査を行い、その報告をまとめることにしました。全国で一番感染者の多い東京都の記録を取っておくことは「いずれ何らかの役に立つかもしれない」と、自分に言い聞かせるような理由づけもしました。
 2020年度オリンピックやインターハイもなくなった時、「他のみんなはどのように部活動をやっていたのか」、「生徒は何を感じていたのか」、「何を部活動の区切りとして入試モードに切り替えたのか」、など様々な質問を研究部員所属の先生に行いました。2021年度オリンピックが開催され、インターハイも復活しても緊急事態とまん延防止のどちらかで自由の利かなかった時期とアンケート比較、2022年度も比較しながら、2023年度まで行い、2024年度「コロナ禍出の部活動~再認識した価値~ 工夫と変化の調査ファイナル」として埼玉研究大会で発表してまいりました。
 いろいろ紆余曲折がありましたが、肌で感じていたことを再確認できました。数字で「見える化」できたことがよかったです。

 2022年10月ごろ見た読売新聞の記事では不登校の数が最多になり、その原因は「制限された学校生活」にあるとされ、特に文科省は「生活リズムが乱れやすく、友好関係を築くことが難しくなり、登校意欲がわきにくい状況にあった」と結論付けていました。その裏付け調査として、仮説を立て、今度はその年度の高体連研究部所属の先生の学校にいる高校3年生にアンケートを取って2年間比較しました。

仮説 部活動は
 1.生活リズムを整えることができる
 2.友好関係を築きやすくする
 3.登校意欲をわかせる

アンケートの結果、自由記述でその理由に「部活動・登校・友達」とはっきり出てきたことは今まで思っていたことが明確に証明された気分で嬉しかったです。部活動には存在意義が十分あるし、生徒にいい影響を与えていると。

スポーツ庁の方のお話では地域移行という言葉も「地域展開」という言葉に訂正され、確実に広まっているとのこと。今後部活動がどう変化するかわかりませんが、部活動の長所をしっかり理解し、心身の成長に大きな力を発揮することを大切にしながら従事していきたいと思います。

「指導者のインターハイ」と呼ばれる公益財団法人全国高等学校体育連盟 研究部について

 

2023年度にも同様の調査発表を途中経過としていたしました。全国大会課題研究として4年間のアンケート結果を詳しく発表(第47号)

 

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