今年、久しぶりに高3の副担任をしています。毎年高3の授業は担当していますが、学年団として高3全体に関わっていると、やはり受験というものの重みをひしひしと感じます。
一般受験、指定校推薦、AO入試、公募推薦、様々なやり方で大学入試に挑んでいく生徒たちを応援したり指導したり、教員としても正念場の夏。
生徒たちからすると、私は彼らが生まれる前から教員をやっているように見えるようですが、まだギリギリそこまではいってません。私にも彼らと同じ、高校生だった頃があるのです。受験生だった夏休みが。
私が高校3年生だった頃、大学で学びたいことは明確に決まっていました。受験しようと考える大学も、いくつかは決まっていました。
しかし私は、非常に残念な生徒でした。目標はあるくせに、そこにたどりつく努力が面倒で、目先の楽さに流されるタイプ。今の自分が当時の自分を教えていたら、教員室に呼んでがっつり指導です。授業で会うたびに「しっかりせんか!」と尻を叩きます(比喩です)。
具体的なエピソードは、これを読む保護者の方が「こんな高校生だった人に息子を任せて大丈夫かしら」と不安になるといけないので省きますが、自分でも、あの頃はダメ人間だったなあと、思い出すと恥ずかしくなります。生徒がいうところの「黒歴史」というやつ。
そんな高校生だったので、いま、進路を実現するためにどれだけの努力が必要かを感じ取って立ちすくんでしまっている生徒の気持ちは、よく分かります。
逃げたくなる気持ち、現実逃避したくなる気持ち、ワンチャンあるぜと言い聞かせたくなる気持ち、分かるなあと思っています。顔には出しませんが。
その一方で、目標に向け、コツコツと努力を積み重ねている生徒を見ると、ほとんど尊敬の念がわきます。なんて素晴らしい!
自分の感傷はおいておいて、一人一人の生徒に対し、いま、この子に必要な力は何だろう、それをどうやって身につけさせよう、どんな言葉をかけたら届くだろう、と、日々考えながら過ごしています。
ダメだった高3の頃の自分を思い出し、あの頃どんなふうに声をかけられたらやる気を出せたんだろうと考えると、黒歴史も無駄ではなかった気になるから不思議です。
今日から、夏期講習3期が始まります。
この夏の集大成となる講習。受験までの折り返し地点です。
少しでも、生徒の力がつくように。それを願いつつ、私もこの夏のラストスパートを頑張ります。